サカタINX（4633）

印刷用のインキを扱う。インキは容器や残った溶液が環境汚染や大量廃棄物の発生の原因の一つとして社会の課題であったように思う。同社は、「環境に配慮した高品質なインキで、パッケージの訴求力向上と安心安全に貢献（同社公式HPより一部引用）」と環境と質の両方の担保を目指しているようだ。独自のバイオマスインキ「ボタニカルインキシリーズ」は脱炭素・クリーンな商品として、顧客そして社会からのニーズも高まりそうだ。

業績は好調といってもよさそうだ。今期の売上高予想は2390億円（前期比4.7％増）と過去最高記録を塗り替える見通し。ただ減益（純利益は増益）予想とのことで、原材料価格の上昇と価格改定が未だ顧客に浸透していない状況と見る。これは丹念に進めていくしかなかろう。一方で、修正1株当たり当期純利益（EPS）は前期の149.2円から今期は163.9円。PERを一定と仮定すれば理論上の株価は上昇が期待できる。xenoBrain（AI）では「使い捨てプラスチック規制強化」が成長ドライバーになると分析。これは時流にマッチしており、AI分析においても事業環境は良好と見ることができよう。

足元の株価は、2/13の高値1471円からのピークアウトから戻り歩調が鮮明になってきた。2月高値の更新が意識されてきており、節目の1500円台をうかがう。2/15の大陰線が示現した際には出来高が急増していたものの、執筆時の株価と当時の高値を鑑みると、大方含み益が多いと見て、買い方優勢のポジティブなスタンスは今後も続こう。一目均衡表では抵抗帯（雲）の上を依然推移。遅行スパンが日柄調整により実線を上から下へクロスすると、利益確定売りが発生するかもしれないが、押し目が形成される好機が今後控えていると見る。