INPEX（1605）

旧社名：国際石油開発帝石株式会社。原油・ガスなど資源開発、生産で国内最大手。政府が黄金株を保有する唯一の企業。23年の「ForbesGlobal 2000」では、世界で510番目に大きな株式会社と評価されている。同社中期経営計画内ではネットゼロ5分野(水素・アンモニア、石油・天然ガス分野のCO2低減、再エネ、カーボンリサイクル、森林の5分野)へ最大1兆円程度を投入。各事業での主要プレイヤーとしての地位確保を推進する。

3/27大引け後、本決算を発表。配当状況は良好で、前期比で第2四半期と期末の合計額は29.8％増の74円と連続増配、24年12月期の予想も76円としている。同社の還元方針によれば、22～24年度の中期経営計画期間中は、総還元性向40％以上を目途とし、1株当たりの年間配当金の下限を30円に設定。安定的な配当を念頭に、株主還元の強化に取り組むことが基本方針。AIのXENOでの評価はB-で緩やかな成長と予想。GDP成長率上昇、国内旅行需要の増加などを要因として分析しているようだ。

株価は昨年12/14の1830円をボトムに上昇トレンドに転換。一時的な反落も挟むも25日線を支持線に底堅く推移。その後は3/29には5日ぶりに反発、WTI原油価格は先高感があり、同社株に連想買いが向かっている一面も考えられよう。国策企業であり、公共性の高い事業運営を行っているため極端な下値不安は乏しいと言える。中長期的には2008年の9月より剥落していた2500円台も想定できるレンジになってきたとみる。