銘柄アカデミー あすなろ校 「原油60ドル台復活への道」
〜 原油60ドル台復活への道 〜
皆さん、おはようございます。
今回は『原油市場』について考えてみたいと思います。
私は最近、米エネルギー省(EIA)が発表する原油在庫統計ほか原油市場の動きが気になっています。
《マーケット編》
◆足元の原油在庫積み上がりと今後の世界需給バランス
原油価格は50ドル台をつけた6月以降、価格は下落傾向にありました。
しかし、足元では9月に控えるOPEC会合前に非公式協議が開催される報道がなされて
市場環境は一変してきたように思います。
そこで改めて考えておきたいのが、年初に度々取り沙汰された“世界供給過剰の解消を背景とした原油価格の長期的な反発シナリオ”についてです。
原油価格下落は米シェールオイルやOPECの生産拡大による供給拡大、世界の景気減速懸念などで
需要見通しが弱含むだろうとの弱気材料がクローズアップされていたためと考えられます。
まさに2014年〜2015年にかけて大きく供給過剰が拡大してきた経緯があり、原油在庫が積み上がりやすい素地が整っていました。
そのような中で、2016年は中国を筆頭に、米国や新興国経済の成長鈍化などが懸念されていたために一転、弱気見通しになったのだと思われます。
まさに4月のOPEC増産凍結協議に対する思惑から50ドル台まで反発した背景には、この“供給過剰が解消”に向かうとの市場判断があったのでしょう。
米EIAが直近で公表した「世界の供給過剰解消の見込み」によって原油価格は上昇しています。
これは、年初に持ち上がっていた従来の見通しが改めて確認されたことで、市場で素直に受け止められた結果になったと思っています。
その中には産油国の供給拡大などの需給に関する弱材料は、供給過剰解消シナリオに織り込み済みであったはずです。
ここで注目なのは、“供給は増加するが需要はそれ以上に増加する”と想定していることです。
需要について、米国もインドも中国も需要は拡大する、中でもインドが需要増加に最も貢献し、その結果、日量339万バレルの需要増となると見込まれています。
原油市場ではプレーンな需給バランスのほかに“投機”に関する弱気材料が含まれています。
投機筋のポジションの増減が価格に与える影響を考えた場合、価格変動要因そのものというよりは、変動時の振幅幅を増幅させる側面が強いと考えられます。
ここから、需給バランスの見直しを背景に原油価格の反発が鮮明となってくれば、投機筋の売りポジションが減少することが考えられます。
それをきっかけに下落局面が反転して上昇トレンドを形成していくようになるのではないかと考えられるのです。
米国市場ではエネルギー株が原油価格の回復に連れ立って、下落トレンドを転換させる兆しが出ています。
今週8/9の『加藤の相場展望』や『加藤のちょっとひと休み』の中でも一部ふれさせていただきましたが、
資源関連株の割安性は引き続き顕在です。
国際石油開発帝石(1605)、石油資源開発(1662)、JXホールディングス(5020)、三井物産(8031)、三菱商事(8058)などが関連銘柄の代表です。
また、原油価格に連動するETFにも妙味が出てくるかと思います。
中長期投資にはETFがもってこいですので、ポートフォリオに加えてみるのもよいのではないでしょうか。
WTI原油価格連動型上場投信(1671)、NF原油インデックス連動型上場(1699)
さらにリスクを取れる方にはレバレッジ型もあります。
上昇期待→NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ダブル・ブルETN(2038)
下落期待・ヘッジ用→NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油ベア ETN(2039)
などがあります。
うまく活用して利益につなげていきたいですね。
それでは、また来週もよろしくお願いします。
執筆:加藤あきら
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