石光商事（2750）

コーヒーの輸入商社で1906年創業の老舗企業。冷凍食品、常温の食材も扱う。米国ロサンゼルスで日系人向けに日本の食品を販売するところから出発し、コーヒー生豆の輸入、加工、卸売りをメインに業態・業績を拡大してきた。5/29には同社がコメダ珈琲と共同開発した「とろみコーヒー」が販売開始。これはその名の通りとろみが付いたコーヒーであり、歯科医師も監修し食道をゆっくり通るように作られている。そのためむせにくく、高齢者の客層にも訴求力を持つと期待されている。

前期の通期決算では売上高620億2500万円(前期比5.2％増）の増収、経常利益は17億4100万円（同34.5％増）の増益で着地した。今期業績予想は売上高は前期比20億5600万円増となる640億8100万円を見込んでいる。今後は2024年度を最終年度とする中期経営計画である「SHINE2024」に沿って温室効果ガスの削減社会課題解決商品の開発に重点を置いた事業拡大を目指してゆくとのこと。AIのXENOもリキッドコーヒー需要などの増加を業績ドライバーに挙げ、4四半期後の売上高を15.30％増(22.4億円増)となる大幅増収と分析し、同社の業績予想に説得力を増しているものと見る。

株価は月足ベースで見ると長い上昇トレンドを形成してきたが、3/25に1181円を付けた後は調整入りしていた。その後は75日線、100日線も割り込むものの節目900円が意識されたと見られる下げ渋りで切り返し始めている。ただ、投資家心理を数値化した指標と言われるサイコロジカルラインではほぼ50％に位置しているため、下押し圧力と浮揚感が相殺してきそうだ。インする場合は100日線付近での値固めが進み、その間に降りてくる25日線を突破してからがベターと見る。