銘柄アカデミー あすなろ校 「金融当局のジレンマ」
〜 金融当局のジレンマ 〜
皆さん、おはようございます。
今回は『金融当局のジレンマ』について考えてみたいと思います。
昨今の市場動向は日米欧の当局対応によって楽観悲観を繰り返しています。そこで、一度整理しておく必要があるでしょう。
《マーケット編》
◆Brexit以降の市場は何を拠りどころとしているのか?
ここのところ世界的に株高が持続する中で、日本株だけが取り残されていますね。
足元で円高が加速してきており、企業業績面でも米国のテクノロジー株のような力強さは見られませんでしたね。
8月に入り、前半は夏枯れ相場の懸念がありながらも相場は上昇を続けてきました。
背景にあるのは世界をけん引する米国経済の好調と政府・日銀による政策期待ですね。
まず我が国日本についてですが、アベノミクス第二章として揶揄される28兆円の経済対策をはじめ、日銀の追加金融緩和が大きな下支えになっています。
これらが市場に与える影響については本来ならば即効性のあるものではありません。
また、用意された資金量では市場の流れが変わるほどのインパクトを期待できません。
つまりは、どれだけ日銀や財務相に雨乞いをしたところで、彼らにもどうしようもできないのが本音ではないでしょうか?
7月の日銀追加金融緩和において発表されたETF買い入れ枠の倍増は大きな買い主体としての役割が期待されるものの、実効性は今のところ確認できておりません。
夏枯れ相場ですので、市場の反応が大きくなりやすいことを懸念して動かない可能性も考えられますが。
逆に、9月になり海外投資家が参戦して市場の主導権を握っている時に日銀が動いても、これもまた実効性があるのかは不透明なところです。
では市場の行く末を決めるのは何なのか?ということですが、
やはり米国の動向に左右されるといってよいでしょう。
日米欧で金融緩和が続く中で、米国は経済の堅調と足元のインフレ懸念から金融引き締めの方向に
舵を切ろうとしています。
市場で大きく変化が表れやすいのは為替動向になるかと思いますが、私はこのドル安トレンドが収束しない限りは、日本株が他国同様に上値を追って高値更新していく絵は描けないだろうと思います。
現状、米大統領選が控える中で政権を握る米民主党がこの局面で大きな金融政策を変更することは難しいでしょうし、何よりもドル安で金融緩和が続いてマネーがジャブジャブに溢れている方が、居心地がいいはずです。
そして、経済は好調を維持している。
先の日本の参院選で自民党が大勝したのもやはり似たような境遇ではなかったかと思います。
大きく異なるのはBrexitから間もなかったこともあり決して株高ではありませんでしたね。
このように米国が政治面でも経済面でも金融政策を変更する気がない現状で、いくらインチキをして株価を吊り上げてもらったところで意味はないんですね。
株価はいつ下がってもおかしくない中で空中戦を続けてきたわけですから、どうせならこのまま上昇トレンドに乗ってほしいところです。
会員様からいろいろお問い合わせをいただく中で、改めて申し上げたいのは‶勝負時を間違えてはいけない″ということです。
弊社あすなろ投資顧問も投資助言として上がる銘柄を提供させていただいてはおりますが、値動きの良い銘柄は確かにこの環境下でもありますが長続きしない印象です。
私のコラムで度々登場してくるような銘柄は足が早いので、できれば安易に飛びつくことはしないでください。(笑)どうしても勝負しなければいけない時は一旦ご連絡ください。
あすなろ銘柄の中にも過去に中屋が紹介したTOKYOBASE(3415)やトランザクション(7818)、日本ライフライン(7575)のような上昇トレンド銘柄もありますので、単なる急騰狙いではなく業績&チャート面のアプローチにもご期待ください。
それでは、また来週もよろしくお願いします。
執筆:加藤あきら
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