リンガーハット（8200）

九州発祥の長崎ちゃんぽん「リンガーハット」が中心。とんかつ店の「浜勝」も展開。同社は麺に使用する小麦のほか、野菜はすべて100％国産にこだわり、コロナ禍やインフレにおいてもそれらを維持し続けてきた。日本は食糧自給率(カロリーベース)が38％と先進国の中で最低水準にあるが、その中で国産にこだわり続けられる裏には毎週月曜に開く役員会で、季節ごとに調達エリアが替わる「産地リレー」を詳細に確認するなど並々ならぬ企業努力がある。一般に飲食の原価率は30％以下が望ましいとされる。同社の原価は35％と比較的高いが、それでも顧客のニーズに応え続ける姿勢が、企業ファンとの信頼を築いていると言えるだろう。

4/12発表の前期決算では売上高402億900万円(前年同期比6.6％増)、経常利益は11億1500万円(前年同期比323.0％増)と増収増益で着地。今期の展望として既存店売上高は前年比の水準に対して、長崎ちゃんぽん事業が105％、とんかつ事業が102％という前提で予算を設定。この前提に基き、翌連結会計年度は売上高430億円。経常利益13億円を見込んでいる。AIのXENOによる決算分析ではインタレストカバレッジレシオは16.38倍(前年同期は7.49倍)となり財務の健全さを指摘していると言えそうだ。

株価は1/15に2567円を付けた後は調整入り。その後3月5には2272円まで調整が進んだが昨年12/5のボトム圏である2278円が節目として意識され下げ止まったものと見る。下落の途中である2/27.28に急増した出来高はシコリ玉となり両日の水準である2370円付近で上値を抑える抵抗帯となってきた。足元でも5/30からのリバウンドで値を上げてきたもののやはり上値が重くなってきている。ただ、25日線が75日線のゴールデンクロスが示現したことで鬼門を突破し、潮目が変わる可能性も十分考えられるだろう。



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