昨日のPart1/2からの続きです。
まだお読みでない会員様は下記からご覧いただけます。
▼「ボーナスシーズンに買われやすい銘柄/買っちゃダメそうな銘柄　Part1/2」
https://1376partners.com/user/content_page/22611


ボーナスを株式投資に充当する事は理にかなっている、というお話をさせていただき、「株式市場に貯蓄する」くらいのおつもりで、1年間継続保有して、配当を受け取りながら値上がり益をも狙うとするならば、大きく売られた後に切り返したNTT株は、充分妥当な投資対象と考える旨、お伝え致しました。

では、ボーナスで買っちゃいけない銘柄、もしくは、ボーナスを使った、やっちゃいけない投資行動は、どんな事が考えられるか、というお話を本日はご紹介したいと存じます。
あくまでも私の個人的見解、という点は予めご了承ください。
また、NTTの買いや、下記の銘柄の売りを、推奨するものでは無い、という点もご承知おきください。

ボーナスを使って、やってはいけない投資行動、ズバリ、これです。
【株主優待狙いで外食産業の株を買う事】

え～っ、もう買っちゃったよ！？

インバウンドの追い風も受けて、人気のラーメン屋さんの店頭には、長い行列が「常態化」しつつあります。
会員様各位にも馴染み深い企業名は、投資対象として連想しやすく、優待も貰えるのであれば、株主としても売上に貢献できる、とお考えになるお気持ちは充分お察し申し上げますが、よ～くお考えになってみてください。

バブル期に、「宵越しの金は持たない」と豪語していた人達が、ボーナスでキリン（2503）やアサヒ（2502）の株を買って、『オレが飲みまくって株価を支えたるわ！』なんて息まくのと、あまり変わらないようには思いませんか？

日本フードサービス協会によると、2024年5月の居酒屋業態の売上高は2019年同月比で67.2％でした。
2019年との比較はつまり、コロナ前との比較を意味しており、コロナ禍が収束してもなお、居酒屋業態の売上高はコロナ前の7割にも達していない事が窺い知れます。

つまり、バブル期以降もしばらく続いてきたハズの、日本的な「飲み会文化」は今や消滅しつつあるのかもしれません。

チェーン店の公開情報を調査した日本ソフト販売株式会社の「【2024年版】飲食店チェーンの店舗数ランキング」によると、2024年1月の居酒屋「魚民」の店舗数は337でした。
2019年9月は592店舗、2023年1月が432店舗だった事から、直近1年の店舗減少率も22％と突出しています。
https://www.nipponsoft.co.jp/blog/analysis/chain-restaurant2024/

上掲の飲食店チェーンの店舗数ランキングでは、居酒屋チェーンに限らず、他の形態の外食チェーンの店舗数も減少傾向が目立ち、つまるところ、顧客需要が伸びていないか、需要があっても利益率が下がっているか、いずれにせよ「利益成長率」は下がっている、と考えるべきでありましょう。

外食産業は、本来「サービス業」だったわけですが、慢性的な人手不足から機械化やDX化マニュアル化が進み、今や「装置産業」的な立ち位置へと変化しつつあります。
「装置産業」の典型的なひとつとして知られるパチンコ店は、大手チェーン店でさえ経営破綻や撤退が続いている事も鑑みると、外食産業全般の将来的な「成長性」にも「安定性」にも、過度な楽観視は危険との印象です。

現在、居酒屋形態をグループ内で手掛けている上場企業はおよそ40社存在しますが、上掲の「魚民」の運営会社であるモンテローザは非上場でありながら、高い利益率を誇る企業として有名です。
「装置産業」に甘んじていては淘汰の波にのまれてしまうだけかもしれません。
非上場のモンテローザこそが先見の明を持ちあわせているとしたら、なんとも皮肉なお話ですね。



執筆：木村泰章

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　個人的に注目している銘柄
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◆ハブ（3030）
◆串カツ田中（3547）
◆ワタミ（7522）
居酒屋チェーンと目される中では、この3社が安定成長中とのイメージです。


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