荏原製作所（6361）＊決算発表予定日 2024/08/14

ポンプメーカー。顧客のニーズから製品をカスタマイズし提供する点が強みと見られる。また半導体製造装置関連製品も扱っており、「ポンプ技術」で培った研究・開発力を同カンパニーに活かす。中でも、同社の御三家とされる「ドライ真空ポンプ」「排ガス処理装置」「CMP装置」では、それぞれの製品がシナジーを発揮する。半導体製造装置内を「ドライ真空ポンプ」で真空状態に、そして清浄な空間を作製する「排ガス処理装置」。そして高度な制御技術でウェーハ表面を研磨加工する「CMP装置」等、今後も「ポンプ」を基点とした研究開発によって、様々な分野の製品を提供してくれよう。

5/14発表の1Q決算では、税引前利益は208億7700万円(前年同期比37.5％増)で着地。半導体製造装置用部品が含まれる「精密・電子」カンパニーが市況改善によって拡販した模様。同カンパニーの今受注高は543億9800万円と、前の期である340億3100万円の159.9％まで受注高が増えた。中国向け需要が堅調に推移したことが主因と考えられるが、カントリーリスクや今後の米中貿易対立等のカタリストを考慮すると、同カンパニーにおける先行きは慎重に見積もりたい。ただし、受注環境は概ね底打ちしたとのことで、グローバル・サウスを中心とした国・地域の受注獲得にも期待したい。

AIのXENOによる分析では、B+という総合評価。TPP加盟シナリオ(中国)が営業利益成長率に最も影響を与えるトレンドとAIは予測。確かにこのトレンドが発生すれば、中国への貿易がしやすくなるだろうが、実現性には乏しいだろう。足元の株価は調整入りから自律反発。執筆時点で抵抗線である200日線と捉えてきた。同線を突破することで、5日線と200日線のゴールデンクロスが発生しそうである。そうなればテクニカル好転となり、まずは節目2600円付近まで浮上することが想定される。日証金の信用状況を見ると融資(信用買い)の返済が増え需給の改善が期待できる。



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