名糖産業（2207）

製薬を祖業とする食料品企業。医療品原料や化粧品素材を扱う化成事業も。同社で注目したいのが2023年12月にサツマイモスイーツの通販事業を展開するおいもやと、焼き芋などを扱う平松商店を子会社化を発表し、菓子部門の強化に乗り出した点であろう。おいもやの高いブランド力と顧客基盤、そして平松商店が持つ生産ノウハウをグループ内に取り込む。これにより新たな成長エンジンを創出、事業相性からシナジー効果も期待できよう。菓子事業の製品ラインナップ拡充や、EC事業の強化を図り、秋が旬であるサツマイモという新たな素材を活用した商品開発が来期の増収に繋がってゆくものと見る。

2025年3月期1Q決算では売上高60億3100万円(前年同期比12.2％増)、経常利益は10億100万円(同82.9％増)の増収増益で着地となった。加えて当期純利益が9億5800万円(同157.8％増)であった事も特筆に値しよう。チョコ菓子が売上を落したものの、上掲の子会社化して加わった芋菓子が売上に貢献。また化成事業で酵素部門や薬品部門が揃って増収であった事も、積極的な売上拡大への営業活動が実を結んだ結果と言えよう。AIのXENOは同社の2四半期後の売上高を大幅増収である24.80％(15億円)増であると分析。売上高の下振れ懸念は少ないものと見る。

株価は4月から階段を上るように右肩上がり。7/17には年初来高値を2117円まで更新している。ショック相場で一時的に値を落したものの、8/6には大陽線に転じ、切り返しの地力は強かったと言えそうだ。現状で(執筆時)75日線、100日線を上放れしており、一目均衡表の雲(抵抗帯)を上抜けている。雲上限を支持帯として雲上で推移できれば、転換線が基準線を上に抜け、三役好転となる状況も近付くものと読む。ただ、判断は最初の関門として節目2000円が順当に突破できるかを確認してからでも遅くはなかろう。