元外資系金融マンのこぼれ話 「市場を動かす金融当局者」
お取り組みお疲れ様です。
本日は朝方の『加藤の相場展望』お話しさせていただいたとおり、いや、それ以上に強い相場展開となっていますね。
日経平均は16700円を超えて、為替もドル円102円水準まで切り上げてきました。
まさに円安株高です。
例年以上の注目を集めた前週末にジャクソンホールで行われたイエレンFRB議長の講演。
内容を改めて確認しますと、「FRBが目標とする最大雇用と物価安定に米経済は近づいている」とした前提の下で、
・この数ヶ月で利上げに対する見方が強まった
・しかし、利上げ時期の明示は予想通りなかった
この2点になります。
表現はかなり利上げにポジティブでしたが、利上げ時期は今回も明示されませんでした。今の円安株高の背景にあるのはフィッシャーFRB副議長の発言にあるようです。
「イエレンFRB議長は相変わらず時期の明示をしなかったものの、発言の真意は年内利上げにあり、場合によっては9月利上げの道筋も残されているという意味だったようだ」との発言をマーケットが解釈したと考えられます。
ややこしいですが、「イエレンFRB議長が9月利上げを示唆」したのではなく、「イエレンFRB議長の発言では、9月利上げの可能性が排除されていない」というフォローを市場参加者が拡大解釈してマーケットが織り込みにいっている状況なのです。
一方で、本日の市場の動きに表れているとおり、さらに注目なのは金融セクターの上昇率がそろって大きいことを見逃してはなりません。
つまり、イエレン発言よりも同じくジャクソンホールで講演した黒田日銀総裁のマイナス金利政策の評価が大きな焦点になっていることは間違いありません。
日銀の追加緩和余地に言及されたことで、今年の高値近辺に迫る動きが出てきています。
良い流れがきていることは間違いありませんが、ドル高発信の米株安、リスクオフの懸念が潜んでいますので、積極的な上値追いは限定的と言わざるを得ません。
売買代金にもそれほど大きな変化は感じられず、主力の出直りが中心の動きとなっていますので、後場はひき続き利食いに押されるのか、上げ幅を広げるのか監視しておく必要があるでしょう。
本日の動きは今後の相場動向を見通す上で、重要になってきますので取引せずとも押さえておいてください。
【 相 場 の 格 言 】
或る者の愚行は他の者の財産である
それでは、引き続きよろしくお願いします。
執筆:加藤あきら
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