有沢製作所（5208）

スマートフォンやタブレット向けの電子材料を主力製品とする企業。近年はこれらの製品の需要拡大に伴い、電子材料事業が堅調に推移している。同社は、生成AIを搭載タイプ、折り畳み式など、新たな技術が搭載されたスマホなどの普及を見据え、これらに特化した新商材の開発にも力を入れている。また、AR（拡張現実）やVR（仮想現実）といった次世代技術の普及が期待される中、これらの分野向けの新しいソリューションの開発も進める。今後も、電子機器の高機能化・多様化に対応した製品開発を積極的に推進していくことで、さらなる成長を目指している。

同社の業績面は苦戦が続いていたが、8/8発表の2025年3月期1Q決算では売上高120億8000万円(前年同期比同期27.2％増)の増収、営業利益10億6900万円(前年同期は2億4700万円の営業損益)となりＶ字回復を果している。これは電子材料、産業用構造材料およびディスプレイ材料が増加した事が奏功した結果と見る。ただ、中華系スマホや、半導体需要は回復傾向にあるもののコロナ前の水準にはまだ至らないようだ。逆に言えば、今後はそこが伸び代になってくるかもしれない。

株価はショック相場から順調に値を戻し9/2に1538円を付けほぼ下落前の値戻しに成功したと言えよう。その後は達成感からか、やや軟調な展開となっていた。しかし株価がエンベロープ（移動平均乖離率バンド）下限付近に達した事で、一般的には売られ過ぎが意識されてくる事から、逆張り型のマインドで反転上昇を見込む事も選択肢に入ってきたのではなかろうか。その場合まずは上値を抑える25日線の突破が最初のハードルになってくるだろう。