参天製薬（4536）

眼科用医薬品メーカー。花粉、黄砂、ホコリ、ハウスダスト、PM2.5（微小粒子状物質）そしてパソコン、スマホの酷使など、眼の敵は多い。花粉症などの季節性の事象は一時的な症状で済むものの、パソコンやスマホの使用時間が増えると眼精疲労になり眼に違和感を覚えることもあるだろう。AI（人工知能）やメタバース（仮想現実）、ロボットやモビリティー（移動体）と「デジタル技術」が組み合わさる事で、便利なサービスや製品が多く誕生した。中でもスマートフォン（スマホ）を持つ者は若者に限ったことではなく、今では年配の方も使いこなすほど。この流れが続くようだと、一年中眼精疲労に悩まされる患者が増え、痛いところだが同社にとっては商機となろう。

8/6には1Q決算を発表。全般的に堅調だった様子。ドライアイ治療剤『ジクアスLX点眼液』の品質に問題が生じ自主回収せざるを得なかったものの、その影響も吸収するほどの好決算だったと言える。やはり円安による価格競争力の向上によって、海外事業が業績全体を牽引しているようだ。同事業の売上収益は前年同期比で11％増。為替の先行きを占うのは困難ではあるものの、円安のうちに収益を確保しておきたい。AIのXENOによると、通期の売上収益は増収予測。AIの同収益における通期予想値は3157億7000万円と会社側（同3020億円）よりも強気。

ビジネスだけでなくふだんの生活にもデジタル化が浸透してきており、やはり眼精疲労を訴える患者が将来的に増えると見ているのであろう。目先の業績推移は期待が持てそうだ。株価は1700円～1800円程度の範囲内でのもみ合い商状。下値は底堅いが、上値は重い様相。8/27をボトムに出来高は増え続けており、売買が交錯することで投資家の層が入れ替わったと考えることもできる。そうなると目先は含み益の拡大に期待した投資家による追従買いが下値を切り上げる形での株高に期待がかかる。8月高値の1878.5円をクリアーすることによる再動意に向けて仕込み処を探るのも良かろう。