実現確率が極端に低くとも、その確率がゼロとは言い切れないのならば、シナリオのひとつとして想定しておく事も有効でありましょう。

「株価が10倍になる可能性」をある程度合理的に説明できるのであれば、実際は理論どおり、目論見どおりに株価は上昇し無くとも、「投資シナリオ」のひとつとしては有効でしょうし、同様に、月末の衆議院選挙で、自民党が大敗する可能性についても、ゼロでは無い限り、「リスクシナリオ」としては無視するわけにもいきません。

トランプ氏は大統領選には勝利するけれど、大統領就任までに暗殺されてしまう可能性がゼロでは無いとか、自民党が選挙で大敗して石破政権は短命で終わる可能性がゼロでは無いとか、国民が大地震の恐怖を忘れた頃にこそ、そろそろ再び大きな地震が起こる可能性がゼロでは無いとか、そうした、「リスクシナリオ」は、実生活にも投資の世界にも常に存在していると考えるべきでありましょう。

言い換えると、「リスクシナリオ」を過度に懸念してしまうと、手も足も出なくなってしまう可能性が高いワケで、それが投資マインドの後退につながってしまうと、保有銘柄の継続保有に対する自信も、新たな銘柄への投資意欲も喪失してしまう、という負のスパイラルに陥ってしまいがちです。

そんな時はどうすれば良いのでしょうか？
有効と思われる「マインドセット（お心持ち）」的にはこの2つが宜しいでしょう。

★リスクオン：投資シナリオ面よりも、テクニカル面を重視した短期（1週間から1か月程度を想定）トレーディング銘柄を選択する。

★ホールド：保有銘柄群がシナリオ投資である事を再認識し、日々の値動きに惑わされず、中長期目線で継続保有に自信を持つ。

つまり、「不安だからリスクオフ」というスタンスは選択肢にはなり得ないように思います。
「攻める」か「待つ」かこそが「ファイティングポーズ」に相当し、「リスクオフ」で「試合放棄」しちゃうのはダメですよね。



執筆：木村泰章

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