メタルアート（5644）

鋼の力を知り尽くした技術力を誇る車部品メーカー。主力は車であるが、建設機械用部品や産業機械用部品、船舶用も。金属素材を打撃し『鍛造』する技術に強みがある。ただ、職人技に頼ってしまうと後々大変になるため、最終的にその貴重な技術をデジタル化して、誰でも扱えるようにしたい所だ。同社は、鍛造から完成品まで一貫してものづくりを行うため発注書の内容からブレが生じる可能性も低く、多くの顧客が信頼していることだろう。

8/8には1Q決算を発表。自動車向けの販売が減少し減収。営業利益は4.3億円（前年同期は5.33億円）と減益で着地することとなった。先述した通り、自動車メーカーからの受注減が大きく影響。出荷停止の波及効果をモロに受けた格好。中長期的には、自動車だけでなく他の業界における売上高も増やしていきたい。AIのXENOによると、中間決算（単体）の営業利益は5.7億円、累計で10億円。会社側の業績予想よりやや劣るものの、2桁億円台の水準は盤石と言えそうだ。

週足チャートで見る株価は、23年11月に付けた高値である4530円からピークアウト。今年の7月頃からは踏みとどまりが見られたものの、ショック相場で再び下降トレンドへ。足元では自律反発が試される。抵抗線と目される25日線を突破すれば、本格的なリバウンドへ転じる可能性は高いだろう。執筆時のPBRは0.37倍と、投資家に気づかれにくい程の低バリュエーション。反発でPBRが上昇すると、「PBR1倍割れ」の是正を狙ったバリュー投資家からの資金が流入するという期待感もある。