全体フォロー:本日と明日が目先の【陰の極】か?
昨日の米国株式市場は、しばらくの間意識されていなかった「米国景気後退懸念」が再燃した形で、大幅安となりました。
トランプ大統領の様々な発言により、株価を支えるために何でもするだろうと期待していた市場参加者は、逆に、米国例外主義の新時代という自身のビジョンを実現する為には、株式相場や経済を犠牲にする事もやむ無しと考えているかもしれない、という懸念・疑念を強めているものと思われます。
日本の株式市場も、当然ながら、米国株安を受けて軟調スタートが予想されますが、需給面の「特殊事情」により、今週、早ければ本日か明日にも、波乱要因が逆に相場のアク抜け転換につながるかもしれない、と考えております。
今週金曜3月14日は、メジャーSQです。
平常時であっても、相場の転換点となりやすいビッグイベントですが、あすなろでは、このSQ通過により、市場でアク抜け感が強く意識され、全体相場が大きく切り返す可能性があるものと見ています。
現在、3月限日経プットオプションの建て玉残が最も多いのは、行使価格37000円のプットオプションです。
3月10日現在では、7929枚⇒7411枚とやや減少しましたが、依然高水準にあります。
日経平均が本日、37000円を下回って推移すれば、37000円のプットオプションの買い手には評価益が発生しますが、逆に、37000円のプットオプションの売り手には評価損が生じます。
売り手は、プットオプションを買い戻せば、損失を確定してポジションを解消できるのですが、多くのケースでは、日経平均先物を売る事により、オプションポジションのヘッジを行う事が選択されやすいものと見ます。
いわゆる「デルタヘッジ」です。
日経先物がデルタヘッジの売りの影響で下落すると、今度は日経先物と現物間で裁定取引を行っている裁定取引業者が、「裁定買い残」を解消する為に、先物を買戻して現物を売る「裁定売り」を行います。
日経平均の下げ幅は急激に大きくなってしまいがちではありますが、「一過性の動き」となりやすく、かつ、「弱気に傾いた」ポジションは、裁定買い残もプットオプションの建て玉残も解消に向かう事となります。
SQ通過前後に、日経平均が「瞬間的に」大きな下落となって、即その反動で切り返しとなるような場合には、「デルタヘッジ」を行った取引主体が、今度はその日経先物の売りポジションを買戻しを急ぎ、切り返し時の上昇幅も大きくなる傾向が見られます。
プットオプションの建て玉残が、行使価格37000円に次いで大きいのは、行使価格36000円で、こちらも7000枚台と思われます。
本日と明日で、日経平均が36000円を一時的に割り込むと、36000円のプットオプションのポジション解消も進む事になる為、表題のように【陰の極】として意識されやすく、SQ通過後の方向性は上向きとなる可能性が強いものと考えます。
あとは前回の全体相場フォローでお伝えしたとおりです。
【タイミング的には突っ込み買いの好機と見る】
【今回の下落局面での主力級大型株群の突っ込み買いは避ける】
【既に保有している銘柄群のナンピン買い増しの優先順位は低い】
【大型株の突っ込み買いなら米国株の戻りの方が速いとの印象】
この波乱局面こそを、突っ込み買いの好機と考えて、虎視眈々と買い仕込みを狙ってまいりましょう。
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