「コーニング社の見解から見えてくるもの」

光ファイバーケーブル等の通信ネットワーク製品を手掛ける米国企業コーニングは、3月18日にIRデーを開催し、中期的な経営計画に相当する「Springboard Plan」を開示しました。
このアップデートの中で、AI関連/電線関連/データセンター関連にとって、支援材料と目される点をまとめました。

・同社はデータセンター内における光関連製品需要の伸長を背景に、売上高成長率見通しを引き上げました。
　同社は生成 AI について、米国内だけで毎年最大で70棟のハイパースケールデータセンターが建設される必要があるとの見解を示しました。

・データセンター内の光接続については、GPUの性能向上は基本的に光接続数の増加につながるとし、NVIDIAの「Hopper」アーキテクチャは32個のGPUノード（接続点装置）だが、「Blackwell」では72個のGPUノードが必要と説明。
　同社は今回、「Blackwell」では従来のサーバーラックと比較して、ファイバー接続数が16倍に増えるとの見解を示しました。

・同社はMETA社の公開資料などを参考に、サーバーラック内における「銅線配線」が「光配線」に移行してゆくと解説しています。

一方で、NVIDIAの顧客となる大手ハイテク各社は、コストダウンの観点から、NVIDIAのGPUよりも若干性能は劣っても、コストパフォーマンスが高いチップを選好する可能性があり、この点がNVIDIA株の上値を抑える背景となっています。

NVIDIA独り勝ちとのイメージが強かった昨年とは異なり、今後はやはり、生成AIの実装に直結するインフラ面において追い風を受けやすい企業群こそが、投資対象として選好されやすいものと見ます。
「半導体チップ＜サーバー接続に関わる電線や光ファイバー製品（広義でのデータセンター関連）」と認識しておくべきでありましょう。
特に、「銅線」が「光配線」に置き換わるという点が注目に値するものと考えます。

本日の株式市場においても、電線大手企業が属する「非鉄金属」セクターの業種別株価指数の上昇が目立ちます。

とはいえ、現在の相場環境は、個別銘柄の業績推移等「内部要因」よりも、米国の関税政策等に関する懸念という「外部要因」の方が、全ての銘柄群の株価形成に多大な影響を及ぼしている局面です。

このような局面では、幾つかの銘柄を大きく買い込むのではなく、広く（銘柄数を多めに）薄く（株数は少なめに）ポジションを持って、全体相場の底入れ切り返しを狙う戦略こそが有効と考えます。

AI関連/電線関連/データセンター関連の銘柄群を保有なさっている会員様は、株価の切り返しに合わせて、可能であれば一旦利益確定を優先してまいりましょう。

これらの銘柄の買い増しは控え、仮に、株価推移の冴えない他銘柄がポートフォリオ内に存在するのであれば、そちらとの「併せ切り」を行って、ポジションを軽めにして資金余力を確保するスタンスが妥当と考えます。

あすなろが従来想定していた、「AI/DX関連銘柄群一斉蜂起」は、タイミングが「やや後ズレ」する可能性はあるものの、シナリオ自体が消えたわけではありません。

全体相場のセンチメントが改善しないうちは、広く（銘柄数を多めに）薄く（株数は少なめに）ポジションを持っておき、「一斉蜂起」が現実化し始めてから、株価推移が堅調な銘柄群に対するウェイト（比率）を引き上げる事を再考する、というスタンスが宜しいものと考えます。


なお、今後の展開も踏まえまして、今からお取り組み頂きたい銘柄は既に発掘済みです。

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