ホクト（1379）

国内きのこ市場のパイオニア。ブナシメジ、エリンギ、マイタケを主力とし、全国の食品スーパーを中心に広範囲な流通網を構築。海外では米国や台湾などにも進出し、徐々にシェア拡大の兆しがうかがえる。生産技術の高度化、品質安定への徹底した管理体制が、差別化の要と見る。国内外の健康志向ニーズを味方に付け、多角的な事業展開も模索。栄養価や環境負荷の低さによる新たな価値提案で、今後さらなる成長領域の創出が期待できよう。

2025年3月期決算では、売上高が831億円と前期比で4.6％増加、営業利益は66億円と大幅な増益を記録。主力となる国内きのこ事業では、天候や野菜市況の影響が好転し、鍋需要の持続で高値推移が寄与した。しかし、次期の予想は経常利益が前年同期比で33％減少見通しとなり、利益水準の調整局面も視野。コスト変動や市況変化への対応が焦点となるが、保守的な税効果の影響もあり、先行きには慎重姿勢もみられる。需要安定・コスト管理強化が重視される展開が想起される。

株価推移は、5月中旬のマド空け上昇を皮切りに75日線や200日線を突き抜け、以降はリバウンド傾向を維持。25日線が下支えとなる動きからは、反発余地が意識されやすい。週足レベルの一目均衡表で雲上限の明確突破が続き、遅行スパンも順調に推移。短期的にはボリンジャーバンド+1σ到達による過熱感も警戒材料だが、その後の調整を経て、再度バンド拡大とともに買い直しの動きが入りそう。RSI、ストキャスティクスも中立からやや強含みの水準。出来高伴う攻防から、今後のチャート形状次第でトレンド転換の可能性も視野に入る。