NSW（9739）

独立系SI（システムインテグレーター）として、ITとエレクトロニクスの両輪で事業領域を拡大してきた。金融や流通、製造、社会インフラ関連企業向けにシステム開発や運用保守、クラウドサービスまでワンストップで提供できる点が強み。近年はIoTやAI、セキュリティ、クラウド基盤など成長分野への投資を積極化し、デジタル変革ニーズに応えるポートフォリオを強化。各産業分野のDX推進や需要多様化に対して柔軟に応えられる体制が、今後の成長余地を広げる。持続的な収益力と新分野開拓のバランスが、安定性と攻めの両面で評価されよう。

2025年3月期は減収となったが、営業増益で着地。これはクラウドやIoTを中心としたサービス領域の伸長や、増収施策が全体を下支えした構造。純利益は減益となったが、これは投資有価証券の評価損など特別損失の計上が主因であり、本業の収益力は堅調と見ることができよう。セグメント別では、サービスソリューション領域が増収増益、エンベデッドも堅調。一方で、システム機器販売など一部の反動減や、デバイス関連の採算鈍化が抑制要素となった。次期見通しは増収も、成長投資や人的資本への支出増を織り込むことで「営業・経常利益は減益予想」となっている。コストコントロール・高付加価値サービス強化の成果が次のテーマになる公算。

直近の株価は、5月下旬のギャップアップを起点に25日線の上抜けを果たし、チャート好転の兆しを見せた。6月下旬にはボリンジャーバンドの+2σ接触で短期的過熱感が意識され、調整局面に突入。だが節目2600円の下押しを経て、リバウンド狙いのタイミングが接近している。週足の一目均衡表では雲の下を推移。5月中旬の大陰線が需給改善の課題となろう。足元では調整によりエントリーポイントが意識されやすい状況から、再度仕込みへの局面移行が視野に入りつつある。