JapanEyewearHoldings（5889）

国産眼鏡の二大ブランド「金子眼鏡」「フォーナインズ」を軸に、企画から製造、直営販売までを内包する垂直統合モデル。福井県鯖江の職人基盤に裏打ちされた品質と、直営比率の高さが値引き競争の回避と在庫回転の統制に寄与するとみる。国内では百貨店外の路面直営で顧客体験を磨き、海外はアジア主要都市での出店と卸の両輪。高単価フレームに視力測定やアフターを束ねる「体験価値」で差別化。原材料や為替の振れはリスクだが、ブランド指名買いとインバウンド回復が緩衝材となりやすい構図。

2026年1月期上期は増収増益。売上は前年同期比で着実に伸長し、営業利益も拡大。二大ブランドの直営強化と価格戦略、観光需要の回復が寄与した格好である。一方、直近四半期の利益率は高水準を維持しつつもやや低下しており、人件費や出店コストの先行投資が影響した可能性。通期計画に対する上期進捗は平年並みで、下期は新店の立ち上がりとホリデー需要の取り込みが焦点となろう。粗利重視のミックス改善が続けば、投資負担を吸収しつつキャッシュ創出の安定化が期待できよう。

決算通過後はイベントリスクが晴れ、出来高の伴う値動きが増える局面。中期ではトレンド判断の軸となる25日線と75日線の位置関係が重要で、25日線上での滞留日数が増えればモメンタムは改善方向。過去の高値圏には戻り待ちの売りも想定されるため、出来高を伴う上抜けの確認が肝要である。逆に25日線を明確に割り込む場面では、直近の窓や短期支持帯のチェックを優先。小売ディフェンシブ寄りの値動きながら、テーマ性（国産高付加価値、インバウンド）に資金が波及する地合いでは相対強度が高まりやすい。