STG（5858）

マグネシウム合金とアルミ合金を使った部品を、設計から鋳造、仕上げまで一貫して手がける会社である。主に自動車や精密機器向けの外装やハウジング、ヒートシンク、LED部品など、高精度と軽さが求められる分野が得意。生産拠点は日本だけでなく、中国・タイ・マレーシアにも展開しており、コストと納期の競争力を意図的に確保する構造。金属の“軽さ”という特徴が、電気自動車やモバイル機器の軽量化・省エネトレンドにマッチすることが強みと見られよう。ただし、素材の調達コストや為替の影響が業績に響きやすいというリスクも存在。
（小ネタ：マグネシウムって、アルミより軽くて比重はおよそ2／3。だから「持てるけど重くない」部品を作るなら頼れる材料である。）

最新の第1四半期（2026年3月期）では、売上約15.42億円と前年同期比で増収（＋約17.8％）、営業利益が同じく大幅増（＋約83.4％）という結果。生産効率化やコスト適正化が奏功した様子。通期予想では、経常利益5.75億円程度で前期比増益を見込んでいる。将来的には、自動車の軽量化要求が強まる中でマグネシウム部品の需要が高まる可能性。さらに、素材代の変動、精度管理のコスト、海外拠点の運営管理が成否を分けるポイントであろう。価格競争が激しい分野ゆえ、技術力・納期・品質で差をつけられれば上振れのチャンスありとみる。

株価は最近1700～1800円前後を行き来しており、年初来安値付近（約982円）から上昇トレンドを描きつつある。PER予想はおよそ8.6倍、PBR実績は約1.24倍と、割高・割安どちらとも言い切れない水準。出来高の増加と25日線との関係がポイントで、25日線を明確に越えて来ると「旬」が始まる可能性。逆に、景気減速や素材価格急上昇が重しになると、短期的な押し目調整の可能性あり。年初来高値近辺には戻り売り圧が意識されやすく、出来高を伴う突破が確認できれば一段上への動きが期待できる。