CSSホールディングス（2304）

ホテル・レストラン業界のバックヤードを支える企業グループである。もとをたどれば、食器洗浄や厨房サポート（スチュワード業務）が原点だが、現在はフードサービス受託や空間演出・音響・映像・セキュリティ設備といった複数領域に拡張している。中核企業としての「セントラルサービスシステム」が屋台骨であり、グループ統括体制へと移行した持株会社である点も特徴。競争力源泉としては“現場品質”と“業界ネットワーク”、さらに契約のストック性が挙げられよう。

2025年9月期3Q累計は売上が前年同期比で着実に伸び、営業利益も小幅増。ホテル稼働の回復と新規受託の積み上げが牽引する一方、人件費や食材などのコスト上昇と案件ミックスで純利益は縮小。通期計画は据え置きつつ、配当予想は増額し還元姿勢を明確化。中期的には外食・観光の正常化を背景に、スチュワードを軸とした受託規模の拡大が続く見立て。TIPS：決算資料の業種別売上構成比で新規比率の上振れ、フードの粗利率の戻り、空間プロデュースの受注残、スチュワードの新規開業数を並行チェックすると次期の伸びしろを早期に掴める。

株価は3月以降ゆるやかな上昇トレンド。決算発表時の出来高膨張を伴う上抜けが継続しており、需給面ではポジティブに傾いている。特筆すべきは、投資家層の厚みが増している点。これまで小口中心だった出来高に、機関系の流入反応が見られ始めている。テクニカルでは25日線が上向き基調を維持、押し目形成局面では回転資金が入りやすい。TIPS：決算週の値動きを“出来高×終値”で追うと、資金の入り方のトレンドが読める。