ホクリヨウ（1384）

北海道を地盤とする同社は、鶏卵の生産から販売まで一貫して自社で行う垂直統合型ビジネスモデルを構築している。道内シェア5割という圧倒的な地位を背景に、スーパーやホテルへの直販ルートを確立しており、中間マージンの削減と価格決定力の維持に直結する構造だ。鶏卵業界は規模の経済が働きやすく、飼育から出荷までの効率化が利益率を大きく左右する。同社の一貫生産体制は、相場変動時における機動的な生産調整を可能にし、業界内での競争優位性を高める要因と評価できよう。東北・関東への進出も進めており、北海道依存からの脱却が中長期的な成長の鍵を握ると見る。

第1四半期は鶏卵相場の上昇により売上高58億6300万円（前年同期比33.7%増）、営業利益13億500万円（同423.6%増）と劇的な改善を遂げた。通期経常利益予想を22億3000万円から29億9000万円へ34.1%上方修正した背景には、鳥インフルエンザによる供給制約が続いている市場環境がある。第1四半期で既に通期予想の4割超を稼ぎ出している進捗率を鑑みると、下期に相場が軟化しない限り、更なる上振れ余地は十分にあろう。本業ベースでは明確な成長軌道にあると判断できる。

9月中旬から10月中旬まで2300円から2500円のボックス圏で推移していたが、10月22日に出来高を伴って上方ブレイクアウトを果たした。この日の商いは15万株超と直近平均の3倍に膨らんでおり、需給の変化を示唆する。2300円台での長期もみ合いは市場参加者が業績の持続性を見極める時間稼ぎであり、ブレイク後の値動きは上昇トレンドへの転換を意味しよう。2600円近辺が新たな下値支持線として機能する可能性が高く、第2四半期の業績進捗次第では2800円から3000円へのトライが視野に入る。