三洋貿易（3176）

独立系の複合型専門商社。主力は化成品、機械資材、海外現地法人の三本柱で、ゴム・樹脂から産業機械、ライフサイエンス商材まで“技術×商流”で橋渡しするモデルである。メーカー機能を持つ子会社と連携し、輸入品の日本仕様カスタムや据付・保守まで一気通貫で対応できる点が強みと見る。注力は高付加価値のファインケミカルや再生材、エネルギー・バイオ領域の装置・素材。選択と集中を進めつつ、海外はアジアと米州での拠点深耕を続ける構図。

最新の2025年9月期3Q累計は売上高988.07億円、営業利益55.32億円、経常利益60.37億円。増収ながら一部分野の軟化とコスト高で減益局面とみる。四半期では為替と製品ミックスの影響が出やすく、在庫最適化と価格改定、高付加価値商材の構成比引き上げでマージンの底を厚くする運営。通期は会社計画レンジに依拠しつつ、機械資材×化成品の両輪で需要の散らし込みを進める構図。財務は手元流動性に余裕があり、機動的なボルトオン投資や海外拠点の深耕に振り向けやすい。商社特有の原価と販管費のブレは、為替と仕入れ条件の見直しで吸収余地が残るとみる。

株価は決算と為替ヘッドラインに敏感である。短期は25日線と75日線の傾き、直近高値帯の処理に注目。出来高を伴う上抜けが続けば抵抗帯の支持化シナリオ、失速なら75～100日線辺りでの押し目形成が見込まれる。PER10倍未満、PBR1倍未満と割安感があり、バリュー株物色相場においては水準訂正による株価上昇が期待できる。先述したように100日線辺りで待ち構えてみるのも一考だ。一目均衡表では雲の中をくぐり強弱感が対立。幅に厚みがあるため、雲抜けのは株価刺激材料を要すると思われるが、日柄調整により遅行スパンが実線を上方カイリすると雲抜け期待も高まってくる。