島精機製作所（6222）

コンピュータ横編機とWHOLEGARMENT（無縫製）横編機、そしてSDS-ONE APEX4に代表される3Dデザインシステムを核に、企画から生産までをつなぐ「トータルファッションシステム」を提供する機械メーカー。縫い合わせ不要のWHOLEGARMENTは省人・省資材に寄与し、需要の山谷に強いとみる。APEXは仮想サンプルで試作回数を減らす設計支援が持ち味。「編機」×「CAD/CAM」×「ソフト」の一体提案と、修理保守を含むライフサイクル収益の積み上げが事業の底を厚くしよう。アパレルの在庫負担を軽くするデジタル化・小ロット対応の流れは同社モデルと親和的である。

最新の2026年3月期 第2四半期（上期）は、売上高180.92億円、営業損失0.79億円、経常利益7.80億円、純利益6.72億円。前年上期の赤字から、台数回復と地域ミックス改善で損益が持ち直した格好である。地域別ではアジアと欧州がけん引し、日本も更新需要が下支え。研究開発や全社費用は投資を継続しつつも、粗利率の回復が寄与したと読む。通期予想は会社計画を据え置き。為替や需要循環の揺れは残るが、高付加価値機種とデザインソフトの連動販売、保守収益の積み上げがブレの緩衝材になりうる。

株価はアパレル投資のサイクルと決算ヘッドラインに敏感。直近は高値切り下げと安値切り上げの三角持合いが進行。5日線と25日線のパーフェクトオーダー復帰、および決算日アンカードVWAPの上での滞留が続くかが分岐とみる。MACDヒストグラムのゼロ超え、RSI14の50上抜け滞留が同時に出ればモメンタム改善のシナリオ。出来高は価格帯別出来高の厚い帯を越える局面で増勢維持が条件。中期ではTOPIX比RSの下げ止まり→水平化を確認しつつ、イベント後の回転日数短縮が伴うかに注目。一度に結論を出さず、条件充足に応じて段階評価としたい。