寿スピリッツ（2222）

贈り物で心を動かす、「お菓子のプロデューサー」企業。全国各地の観光地や百貨店、空港などで地域×高級感をテーマにしたスイーツを展開する企業である。代表ブランドには「ルタオ」「東京ミルクチーズ工場」「ザ・メープルマニア」などがあり、各エリアで“その土地らしい、贈りたくなる菓子”をプロデュースしている。独自性は、ただ作って売るのではなく、ストーリーを設計し、ブランディングまで一貫して手がける点。2025年には中長期ビジョン「Value Up Vision 2030」を発表し、さらなるブランド進化を進めている。

増収も利益は小休止。原価高と再投資フェーズが背景。2025年4-9月期の売上高は357億円（前年同期比+8.8%）と堅調に拡大したが、営業利益は74億円（同▲0.5%）とやや足踏みした。シュクレイグループ（東京ミルクチーズ工場等）は出退店を伴うリブランドを進行中、ルタオを擁するケイシイシイも店舗改装や新商品投入で再成長を狙う。一方、原材料コスト高や販促費の増加もあり、利益は前年とほぼ横ばい。ただし全セグメントが売上成長を記録しており、中長期的には成長軌道を維持している。新たな“ご当地ヒットスイーツ”の創出が今後の注目ポイントだ。

決算失速も即反発。地合いを味方にした見直し買いが鮮明。株価は、10月末の決算で「微減益着地」→1800円割れ目前まで売られたが、直後の11月第1週に急反発。11/7には前週比+8.03%、終値1997円、出来高590万株超と強烈なリバウンドを見せた。PERは23倍水準で推移しており、過熱感は限定的。信用倍率は10倍超と依然として買い残が多く、需給面には注意が必要だが、売り方の踏み上げも一因で短期的には上値余地がある。節目は2000円の心理的抵抗線と、過去高値ゾーンの2100円台。業績反転の兆しが見えるまでは「ブランド人気＋優待魅力」で支えられる相場が続くだろう。