突然ですが、日経平均は値を保っている一方で、個人投資家様が主役であるグロース250指数が弱いのはなぜでしょうか。

この点についてモヤモヤされている方も多いと思いますので、早速、解消してまいりましょう。

今年最大のIPOを控えたここからの12月相場は、「弱さに振り回されず、むしろ来年への仕込み月」として捉えていただきたい局面です。​

いま起きていること
まず押さえたいのは、「今年はいつも以上にIPO向けの資金捻出売りが出やすい」という点です。​
12/17にSBI新生銀行（8303）が上場予定で、国内募集株数は普通株式8,900万株、仮条件は1,440～1,450円に設定されています。​
単純計算で株式市場の中だけで資金移動が起きると、1,200億円超の売り圧力として意識されても不思議ではなく、「なぜこんなに弱いの？」と感じる場面が増えてもおかしくない状況です。​


【12月は「売りが出やすい月」という前提】
例年12月は、
・IPOラッシュに向けた資金捻出
※12月は15社の新規上場が予定
・利益確定や節税対策の売り

が重なり、上値が重くなりやすいと指摘されています。​
今年はそこに大型IPOが加わるため、「個別の悪材料がないのに下げる銘柄」が目につきやすくなりそうです。​

ここで大事なのは、「個別企業の業績不振による売り」ではなく、「イベントのための現金化」という性格の売りが多い、という視点です。​

ついチャートの下落だけを見ると気持ちがざわつきますが、背景を冷静に分析すると、腰を折られる必要がない場面ということがわかります。​


【テクニカル面が示す12月～1月のリズム】
テクニカルのアノマリーを見ると、過去3年のグロース250指数は「12月に押しが入り、1月に戻りやすい」という傾向がみられます。​
ローソク足ベースでは、12月は陰線、1月は陽線で終わるケースです。短期的には「年内の押し目が年始の戻りにつながりやすい」というリズムが見られます。​

もちろん過去のパターンがそのまま再現されるとは言い切れませんが、「12月の軟調＝悲観一色」と決めつけるより、「1月の戻りを見据えた仕込み場になる可能性がある」という見方も持っておく価値はありそうです。​
実際、12月前半の弱さが、後半から年初にかけての上昇につながった年も多く、感情と値動きが逆方向に動きやすい時期でもあります。
​

【どう動くか：資金捻出売りに同調しない】
ここからのポイントは、「IPO向けの資金捻出売りに、むやみに付き合わないこと」だと考えています。​

・業績が順調な銘柄
・単発スポット銘柄のようにテーマ性がある銘柄
・バリュエーション的に過度な割高感がない銘柄

まで、IPOのための換金売りの巻き添えで水準を切り下げる場面があれば、それは中長期投資家にとって、むしろ冷静に拾いを検討する余地になりやすい局面かもしれません。​

一方で、今年人気化した小型グロースで、出来高が細っている銘柄などは、12月序盤に処分売りが重なる可能性があるため、ここは「無理に抱え込む」のではなく、ポートフォリオの中で役割を終えた銘柄があれば、あえて現金化し、来年への「弾丸」を補充しておく選択肢も視野に入れていただきたいところです。​


【投資家へのメッセージ】
今年最大のIPOが控える12月は、どうしても値動きがざわつきやすく、「なんとなく居心地が悪い」相場になりがちです。​
ただ、その裏側では、季節要因とイベント要因が重なった売りが出ているだけ、という場面も多く、そこで一緒になって手放してしまうと、1月以降の戻り局面で「やっぱり持っておけばよかった」と感じる展開も想定されます。
来年の自分への仕込み期間と捉えられるかどうかが、パフォーマンスの差につながってくるはずです。​
日々の値動きに疲れたら、「これはSBI新生銀行の資金集めで、どこかの誰かが慌てているだけかもしれない」と一呼吸おいていただき、1月を見据えた視点でポジションを整えていきましょう。​


【ポジション調整後に仕込む銘柄】
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