株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2016-12-10 09:00:00

元外資系金融マンのこぼれ話し

元外資系金融マンのこぼれ話 「これからの相場のヒントは?」

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今週もお取り組みお疲れ様です。

相場が上昇してきて経済雑誌などでも日経強気予想が飛び交う状況になってきました。

2016年初はアベノミクスは期限切れなどの記事が多かった1年前と比べると、雰囲気がガラッと変わった印象を受けてしまいます。

こういう時は警戒しなければならないのですが、

今の株高を演出している背景にあるのは米国市場が台風の目になっていることは疑いないでしょう。

トランプ氏が勝利した米大統領当選から始まった「トランプ相場」は、いま日本の株式市場に4年ぶりの活況をもたらしていると言えます。

4年ぶりというのは、アベノミクス相場以来ということです。

当時、アベノミクスが「3本の矢」、つまり「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「投資を喚起する成長戦略」を柱に、日銀による異次元の金融緩和によって「円安・株高」を演出したことは周知の事実ですね。

今回、トランプ次期大統領は「大幅減税」、「インフラ投資の拡大」、「金融の規制緩和」を軸に、米国の景気を浮上させようとしており、それが米国経済を復活させることにつながるのではという期待感が今の相場です。

先週は金融規制緩和の話題から金融株をご紹介しておりましたが、今週は金融と自動車、エネルギー株などを中心に物色が進みました。

たしかにトランプノミクスはアベノミクスを彷彿とさせるものかもしれませんが、舞台が日本ではないだけに上げ相場といっても、アベノミクスの時のようになんでも上がるわけではないことに気をつけておかなければいけないでしょう。

今後は実際のトランプ政策の実行力をふまえながら、トランプ相場の第2幕が始まると言えます。

最も注目なのは10年間で1兆ドルを投じると言われる米国の「インフラ投資」です。

日本円に換算すると【約115兆円】ですから、過去の日本の経済対策の規模と比較するとそのとてつもない大きさに驚かされます。

特にこういった大規模公共投資は、公共投資自体があまり行われていない米国では大きなインパクトをもたらすことでしょう。

中でも注目されている「新幹線」などの鉄道インフラ関連は車両製造を手がける日立製作所(6501)や、東海岸と西海岸をつなぐ大陸新幹線構想が現実化すれば世界一の鉄道運行システムを誇るJR東海(9022)なども恩恵を受けるかもしれません。さらには新幹線用レールを作っている新日鐵住金(5401)も関連と言えますね。

トランプ・ラリーの先頭を走った小松製作所(6301)やファナック(6954)、オークマ(6103)なども建設機械や工作機械でインフラ投資と言えばという連想が働きやすい銘柄ですね。

また、インフラ周りにも注目できます。

インフラを整備するには素材が必要になりますから、欠かせない基本素材である塩化ビニル樹脂を生産している信越化学工業(4063)や非鉄・金属の三菱マテリアル(5711)や三井金属(5708)も市場の大きな期待を集めています。信越化学工業は世界最大の生産力を誇る米子会社を持っており、その恩恵は絶大なものになるかもしれません。

その後はインフラ活用に必要となるエネルギー政策関連も恩恵を享受しますよね。環境プラントのクボタ(6326)や荏原製作所(6361)などにも派生するでしょうし、あるいはエアコンのダイキン工業(6367)なども関連になるかもしれません。

こうして連想を膨らまして投資対象が広がっていくのだと思いますが、最近新高値を更新しているのが東証1部の大型株に多いのは資金が大型株に集まっている証拠でもあります。

投資が難しいのは資金をまとめて大型株の本命を見つけて集中投資するのがいいのか、資金を分散して中小型株の値幅を狙っていくのがいいのか判断を迫られるところです。

また、投資する銘柄が見つかっても短期で狙うのか中期で狙うのかも大事なところです。

つまり、出口をつねに考えて投資をするということです。

ハッキリ申しますと、どれも正解なのでどちらが良いとは言えないところもまた投資は奥が深いと感じるところです。

上記の他にも今後有望そうな銘柄はたくさんあるかと思いますが、これからの相場では銘柄云々以上に大事なことがあります。

目に留まったので、引用文も一緒に今週の相場の格言として取り上げてみたいと思います。

【 相 場 の 格 言 】
『勝つことのみを知りて負けることを知らざれば害その身に至る』

↓以下、解説文


初心者が柔道で最初に習うのは受身の練習で、相手を投げるのはその後です。

しかし、こと相場に関しては、いかに儲けるか(相手を投げるか)と言うことに話が終始してしまいます。

相場も柔道と同じで、最初に学ぶべきなのは、損切りや資金管理の仕方であって、儲けることではないと思っています。

なぜなら、株価が上がる下がるなど、所詮2分の1の確率なのですから、素人が適当に銘柄を選んで売買しても、儲かるときは儲かるのです。しかし、負けることも当然あるわけで、その負けたときのロスをいかに少なくするかが、大切になります。柔道で言う受身ということになるのでしょうか。

相場の世界は、負け方の上手い人が最終的に生き残り、利益を上げると言っても言い過ぎではないと思います。ある程度相場が分かってこないと、こんなことを言っても馬の耳の念仏なのでしょうが・・・


なかなか率直なご指摘ですが、まさに投資家として「当たり前のことに目を向ける」大切さを説いているなと思いました。

相場の世界に没入すると、どうしても自分の保有銘柄や思い込みに固執してしまうことはよくあると思います。

他に有名な相場格言に『心動けば相場に曲がる』というものがありますね。

これはつまり、株を買うときは、1割上がったら利食いしようとか、トレードプランをたてると思います。

しかし、実際にその株が勢いよく騰がり始めると、まだまだ騰がる、こんなところで利食いするのは、もったいないと、欲が出てくるものです。

その結果、当初のプランなど無視して買い増しまでしてしまいます。

こう言う状態になると、冷静な投資家ではなく、単なる欲の塊になっているので、相場観もだんだん曲がってくるということを戒めた格言です。

こういう相場が上がっている時だからこそ、自身の投資スタンスを再確認して上昇や下落に左右されない投資戦略を立てて取り組みたいものですね。

それでは、また会員様の喜びの声が聞けることを楽しみにしています。


執筆:加藤あきら


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