株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2016-12-24 09:00:00

元外資系金融マンのこぼれ話し

元外資系金融マンのこぼれ話 「今年の大相場銘柄のゆくえ」

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今週もお取り組みお疲れ様です。

本日はクリスマス・イブですが、いかがお過ごしでしょうか。

街中ではクリスマス商戦が繰り広げられ、レストランやホテルでも普段とは景色の違う光景になっていることでしょうね。

小売業界などではクリスマス商戦のゆくえが企業業績の決定打となることもありますね。

eコマースと呼ばれる電子商取引が普及して、自宅に食材を届けてもらってクリスマスパーティを開くなんてことも増えていると思います。

そんな年末の雰囲気が漂う中、年内の残り日数も少なくなってきました。

この時期に取り組まれる方には注意点を挙げておきたいと思います。

毎年のことではありますが、この時期は「節税売り」が年内で最も出やすいタイミングになります。

お持ちの銘柄が特に何の材料もなく下がり始めているなんてことはありませんか?

個人投資家の場合、決算期末は12月で、特定口座を使っていて、この1年のパフォーマンスがプラスという投資家であれば、手元に残している塩漬け株(評価損の株)を売ってしまおうということになります。年内の実現益と相殺できるため、よく「節税売り」と呼ばれます。

また、大相場となった銘柄を高値づかみしてしまったポジションにも見切りをつけて、来年以降の節税対策となり有利になります。

本来、損失の場合は特に確定申告の義務はないですが、確定申告を行って損失を繰り越しておくと、利益が出た年にその分控除できるのでぜひ活用したい制度だと思います。

大納会30日までは5営業日残っていますが、税制上の年内は「受渡日」ベースになるため、節税売りを行う期限はもう少し前になります。つまり、年内受け渡しでの最終約定日は27日になります。

このように年末までに塩漬け株を売っておこうと動くのは、ふだん活発に売買を繰り返しているデイトレーダーでは考えられませんから、どちらかといえば、中長期を指向する個人投資家でしょう。

つまり、損切りを素早くすることができないまま、値段が戻るのを期待して塩漬け株を抱えている投資家に多いとみています。

そもそも塩漬け株の節税売りを考えるというのは、現在値が年初来高値を大きく下回る銘柄を持っているということですよね。

とりわけ、高値を付ける過程で人気化した(出来高が急増した)銘柄の節税売りが多いと予想できます。

今年の話題となった春先のそーせいG(4565)に代表されるバイオ株に始まり、任天堂(7974)などのポケモン銘柄、マザーズ代表として祭られたサイバーダイン(7779)なども対象になってくるでしょう。

これらは今後に大きな期待を集める優良株である反面、行き過ぎた過熱感がもたらした幻の高値を形成しました。将来的には、幻に終わらせまいと再び高値トライすることがあるかもしれません。

気をつけたいのは金額ベースの信用買い残が多いことでしょうか。個人投資家の場合、信用でレバレッジをかけて建てている投資家も多く、期日が決まっているため個人の節税売りと密接に関係してきます。

一方、今週強い動きを見せたのは直近IPO株です。

19日に上場した日本モーゲージS(7192)、公開価格は2010円、初値は2810円、高値は3310円でした。
同じく19日上場の船場(6540)、公開価格は1290円、初値は1193円、高値は1280円です。
明暗分かれる結果となっていますね。

本来ならこれにこれまた幻となったZMP(7316)も予定されていたのですが・・・残念です。
上場していたら12月相場を彩るお祭りになっていたことでしょう。

20日に上場したのはリネットジャパン(3556)、公開価格は1830円、初値は3530円、高値は3990円です。これもスゴイですね!

そして21日上場の3社。
グレイステクノロジー(6541)、公開価格は3100円、初値は5830円、高値は6040円です。
イノベーション(3970)、公開価格は2770円、初値は8700円、高値はなんと9310円です。
セグエ(3968)、公開価格は1700円、初値は5500円、高値は6500円のストップ高張り付きです。

まだ続きます。22日上場はさらに2社あります。
エイトレッド(3969)、公開価格は1800円、初値は3870円のストップ高張り付きでした。
フォーライフ(3477)、公開価格は2280円、初値は3000円、高値は3680円です。

これは、節税売りとはまったく無縁なせいか、異常なほど良い成果が出ていると言えます。

先週に上場している銘柄も見ておきましょうか。
14日上場のキャリアインデックス(6538)、公開価格は6060円、初値は6150円、高値は6210円。
15日上場はMSジャパン(6539)、公開価格は2080円、初値は2200円、高値は3020円。
16日上場はシンシア(7782)、公開価格は2100円、初値は1950円、高値は3485円。

以前のコラムでもIPO投資について取り上げましたが、総じて良いパフォーマンスとなっています。
IPO投資を専門にやられている投資家がいるのもうなづける結果ですね。

ちなみに2016年の中で、公開価格と上場初値のパフォーマンスが最もよかったのは4/19上場のグローバルウェイ(3936)で、公開価格2960円、初値14000円で上昇率は372.97%でした。
100株でも割り当てられたらラッキーでしたね。(笑)

話を節税売りに戻して、注意しておきたい銘柄は他にもありますので、挙げておきたいと思います。
選定基準は時価総額に対する信用買い残比率が高い銘柄になります。

ブランジスタ(6176)
中村超硬(6166)
JIG-SAW(3914)
サノヤスHD(7022)
エディア(3935)
ソフトフロント(2321)
ドーン(2303)
イメージワン(2667)
ベクター(2656)
松尾電機(6969)
FVC(8462)
トレイダーズHD(8704)
ぷらっとホーム(6836)
アクセルマーク(3624)
ALBERT(3906)
アンジェスMG(4563)
グリーンペプタイド(4594)

この時期特有の個人の売りは、【目的が節税である分】については27日で完全に打ち止めとなります。

本気でその株の成長性や株価上昇に賭けている長期スパンの投資家は、抜け目なくヘッジ売りなどで工夫をしているものと思われます。どの程度買い直す意気込みの投資家がいるかはわかりませんが、28日以降は買戻し相場がやってくると考えられるかもしれません。

そうなると、ただでさえ割安な銘柄がさらに売られ過ぎの水準にくる銘柄が出てくることも考えられますよね?そういうのは28日以降で丁寧に拾っていくと面白いかもしれません。

アルテック(9972)
船井電機(6839)
スパンクリートC(5277)
テイク&ギヴニーズ(4331)
リンコーC(8355)
川岸工業(5921)
ニッピ(7932)
日本製罐(5905)
遠藤製作所(7841)
太平洋興発(8835)
合同製鐵(5410)


【 相 場 の 格 言 】
『虫の好かぬ株は買うな』


それでは、また会員様の喜びの声が聞けることを楽しみにしています。


執筆:加藤あきら


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