株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2017-01-07 09:00:00

元外資系金融マンのこぼれ話し

元外資系金融マンのこぼれ話 「AIテクノロジーの勝者は?」

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今週もお取り組みお疲れ様でした。

2017年初週は大幅上昇の大発会に加え、マザーズ指数やジャスダック指数も上値追いになるほど激動の3日間で始まりましたね。

本日は今週大きくテーマ株として動いた人口知能について考えてみたいと思います。

もういろんな専門家の方が詳しい解説をしてますので、私よりも詳しい方は多いと思いますね。

そもそも今になっていろんな産業で人口知能を活用ともてはやされているいますが、

人工知能(AI)は今回で3度目のブームだそうです。

自動運転車や人型ロボットなどに人工知能が搭載され、データからアルゴリズムが生成されるようになり人工知能(AI)の適用業務が増加してくることが見込まれています。

この人工知能は、1956年のダートマス会議でジョン・マッカーシーらによって名付けられたとあり、古くから取り組まれている技術です。

現在のブームは2013年ごろから始まったとされ、有名なものの中では企業活用が進むIBMのWatsonやソフトバンクのpepperなどAIの能力が目に見える形で示され、身近になったことが大きいと考えられます。

また、膨大なデータの蓄積が必要ですので、それを可能にしたビッグデータの技術なしではここまで認知されることは無かったことでしょう。

さらに「ディープラーニング」などのAI手法が発達したことがあげられます。 ディープラーニングは人間の脳の仕組みを模倣したものです。

データからアルゴリズムを自動生成でき学習して成長するので、AIが適用できる業務が増えると期待されているようです。

マスコミなどにも取り上げられた将棋でプロ棋士に勝ったAIや、グーグル子会社が開発した「アルファ碁」、IBMのWatsonは機械学習をベースとして作られたとされ、これらのベースになったのはあくまでも人間です。

その点、ディープラーニングは“学習の仕方もコンピュータに考えさせる”という点で一歩進んだものと言えるでしょう。

ディープラーニングは画像認識で効果を発揮し、2015年には人間の識別精度を超えるまでになっています。

現在では、感情を読み取る機能などに応用され、トヨタ(7203)が運転者の表情や声のトーン、動作、携帯情報端末でのメッセージのやり取りなどのデータを分析し、気持ちや好みを学習するAIの試作車を発表したばかりです。

機械学習やディープラーニングを業務に適用するにはまさにこの“データ”が必要です。

そのような中で注目される分野がデータと結果が収集しやすいデジタルマーケティング分野であると考えています。

野村総合研究所の推計によると、2015年時点のAIアプリケーション市場規模は3兆452億円とされています。

このうち一番大きいのは、音声認識が搭載されているスマートフォンやカーナビなどの情報機器分野の2兆4,530億円で、次に多いのが検索連動型広告などのネット広告が大部分を占める広告・マーケティング分野の5,666億円だそうです。

実際に、デジタルマーケティング分野では様々なAI適用が始まっています。

金融の分野でもデータに基づいて銀行の「融資判断」をしたり、証券の「ロボット運用」など実用化に向けた動きは着実に進展していますね。実際の事例では、

・3メガバンクにはコールセンターでIBMのWatsonを活用、オペレーターをサポート
・1秒間に2000回の取引を可能にした株式の高頻度取引
・クレジットカードの不正使用を検知するAI
・アドテク広告の入札は1000分の1秒
・AIがECサイトの最適化を行い、売上アップに貢献
・人材分野でも転職のマッチングにAIを活用
・AP通信で四半期ごとに書かれる企業決算記事をAI記者ワードスミスが作成など・・・

AIの適用がさらに進むと、業務は自動化されて人間は不要になってしまうというような有名な研究結果もありましたよね。

確かにAIはデータにもとづいて最適な判断をしてくれます。

ただ、それは決められた範囲のデータを元にしているので個々の文脈を読み解くことはできません。

これに対して人間は、企業やユーザーの背景や雰囲気を理解した上で判断を下すことができます。

特にマーケティングでは心理面が重要になります。ユーザーは合理的な判断だけをするわけではないので、最適なものだけでは飽きてしまいますし、ユーザーの好みは変化します。

AI研究に取り組む日本企業ではNEC(6701)や富士通(6702)が開発事業を強化しておりますが、この2社はまさに今回のブームが来るずっと以前から、およそ30年以上も前か研究・開発に情熱を傾けてきました。

最新テクノロジーはやはり米国が先導するのではと考えがちですが、もしこのAI研究を突き詰めていくならば、この人間心理をいかに表現するかという課題に対して古くから人間感情の機微を捉える日本人の“感性”を活かして世界のリードを巻き返す日がやってくるかもしれませんね。


【 相 場 の 格 言 】
『大欲は無欲に似たり』


それでは、また会員様の喜びの声が聞けることを楽しみにしています。


執筆:加藤あきら


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