株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2017-02-18 09:00:00

元外資系金融マンのこぼれ話し

元外資系金融マンのこぼれ話 「日本を揺るがす世界情勢」

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今週もお取組みお疲れ様でした。

先週末にトランプ大統領、安部首相による日米首脳会談が行われて早くも一週間が経過しました。

また、米国市場では良好な経済指標が次々に発表され、米金融政策でも利上げを意識した金利高や、ドル高、主要3指数がそろって最高値を更新した株高など各市場で大きく相場が動いた一週間だったと思います。

一方で、わが日本市場では円安に振れながらも今一歩精彩を欠く展開が続き、未だに年初の高値を更新することができていません。

マザーズやジャスダックなどの新興市場が堅調に進んではおりますが、投資全体としての盛り上がりに欠けた印象は拭えませんね。

そのような中、今週一番驚いたニュースは北朝鮮の金正男暗殺の報道です。

マスコミでは誰が暗殺したのかとか事実の追究で盛り上がっていますが、核心は別のところにあります。

最近は日米韓の3国合同海上軍事演習が頻繁に行われており、この連携はここ数年とくに緊密になっています。

北朝鮮はそのたびに「挑発行為」と激しく非難し、ミサイル発射や地下核実験の強行を繰り返しています。

また、中国でも国境線の付近一帯に人民解放軍の正規部隊を配置して兵力を増員しているようです。

つまり、金正恩体制の崩壊がそう遠くない将来に実現する可能性があるのかもしれません。

おそらく、こうした大国の動きをうけて一番焦りを感じているのは金正恩委員長本人であり、今回の強行は彼が指示したものであるとの思惑がしっくりくるわけです。

どうやら北朝鮮は相当に追い込まれているとみておいた方がよさそうです。

日本では北朝鮮による拉致被害者の問題が長年の課題となっていますが、北朝鮮にとってこの拉致問題はきわめて強力な対日外交のカードとなっていることは変わりません。

安部内閣は安保法制の整備を急いだ理由として、様々な議論が取り交わされデモなども起きましたが、おそらくは北朝鮮が転覆した際の拉致被害者の帰国に向けて、自衛隊の派遣を可能にすることがあるのかもしれません。

なぜなら、日本人拉致被害者で公式発表されているのはわずか17人ということになっていますが、警視庁が認識している拉致可能性のある行方不明者はおよそ1000人にのぼる規模と考えているからです。

金正恩体制の崩壊は周りをとりまく日中韓それぞれで対応を迫られる一大事と言えます。

中国は民主化に対する緩衝地帯として北朝鮮を擁護する立場にありましたが、豊富な資源を有している点もその支配力を及ぼしたいという狙いもあることは明白です。

今回暗殺された金正男はこれまで中国の北京で暮らしており、中国はいざ金正恩体制が崩壊すれば彼を北朝鮮の次期支配者に据えて傀儡政権を作ることを狙っていたフシがあります。

その思惑を崩された北朝鮮に対し、中国がここから先も北朝鮮を擁護する立場をとり続けるかは混沌としてきましたが、朝鮮半島の動揺はかなり大きくなります。

実際に北朝鮮の体制変化が起これば、日本人拉致被害者だけでなく、かなりの数の難民が韓国や中国に流れ込むことになることは想像に難くないでしょう。

いまいち政治が安定していない韓国もこれまでの対日姿勢を硬化させてきた経緯から一転、日本に援助を求めてくる可能性もあります。

じっさいに難民が大挙して流入すれば100万トンを超えるコメを備蓄している日本は食糧問題を解決することができるからです。

米国もこうした事態を想定すると、当然に東アジアにおける日本のプレゼンスに期待が高まりますし、トランプ大統領と安部首相の緊密さアピールは中国にとっても、北朝鮮にとっても多大な影響を及ぼしたに違いありません。

オバマ前大統領は中国寄りの外交姿勢をとっていましたから、今回の金正恩暗殺事件は日米の急接近が北朝鮮をさらに追い込んだ結果もたらされたと言えるのかもしれません。

朝鮮半島の緊張で一気に戦争につながるようなことはないかもしれませんが、政治的にも人道的にも日本が果たす役割は大きくなったように思われます。

私たちも対岸の火事としてニュースをとらえるのではなく、有事にそなえて株式投資の戦略を練っておくのも有効かもしれません。

そうした背景から今回は軍需関連の銘柄を取り上げておきたいと思います。

三菱重工業(7011)…戦車、戦闘機など
新明和工業(7224)…救難飛行艇
日本アビオニクス(6946)…防衛省向け情報システム
豊和工業(6203)…小銃メーカー
興研(7963)…防毒マスク
帝国繊維(3302)…特殊車両や救助機材
細谷化工(4274)…照明弾、発煙筒など
名村造船所(7014)…佐世保重工業を完全三菱重工や今治造船とのアライアンス協議中

特に、拉致被害者返還、難民救済における「救難飛行艇」を手がける新明和工業(7224)や「救助機材」などを手がける帝国繊維(3302)の動きには注目かもしれません。


【 相 場 の 格 言 】
『相場は詭道なり』


それでは、また会員様の喜びの声が聞けることを楽しみにしています。


執筆:加藤あきら


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