トランプ政権の予算教書
昨日は市場イベントのヤマ場を無事に通過し、地合好転の兆しが出てまいりましたが、
市場の様子はどうもまだ株価上昇に懐疑的な動きをしています。
米当局の金融政策に加えて、トランプ大統領の予算教書も注目でしたので、
中身をサッと見ておくと、中心は国防費増額と壁建設のことでした。(笑)
市場が期待していた2月の驚きの大型減税策はどこへいってしまったのやら。
ただ、トランプ大統領の見てる方向が少し垣間見えたような気はします。
一言で表すと、「対外干渉強化」でしょうか。
トランプ氏はよく日本や中国を為替操作国だと言ってたりしてましたので、
軍事力を強化して、さらには対外的にちょっかいを出したいのではないかと思ってしまいます。
共和党は戦争好きで知られてますが、軍事と経済を結びつけて、
かつての「強いアメリカ」「世界の警察としてのアメリカ」を復活させたいのではないでしょうか。
具体的な内容を見ると、国防費は540億ドル増やす予定で、壁建設費用として
17年度に15億ドル、18年度に26億ドルの予算承認を議会に求めています。
あまり話題にならず通り過ぎていった15日の米国債務上限問題もありますから、
やはり財源が気になるところですが、他のプログラム予算を削減し財政赤字を抑える模様です。
概ね事前の見立て通りといったところですが、
環境保護局(EPA)予算を26億ドル、国務省や他の国際プログラム予算を
109億ドルそれぞれ減らし、公共放送や芸術、地域プログラム関連で、
19の独立機関向けの資金供給を止めるとしてトランプ色がにじみ出ています。
やはり、「巨額のインフラ投資」と「大型減税」は含まれず、現状では
どちらも米議会で満額回答を得るのは極めて難しいのかもしれません。
でも、米国では中間層が仕事を奪われてメキシコの壁を作るにしても、
建設労働者は人手不足の状況なので、海外から労働者を引っ張ってこないと
インフラ投資を実際に担う人材が足りていません。(笑)
米国の国防費増額と人手不足を解消させる企業などは重宝されるかもしれません。
言わば「アメリカ国策銘柄」!
新明和工業(7224)…米国のアジア情勢介入
ファナック(6954)…人手不足解消
ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)…米SRI社とロボット等に必要となる減速機開発
これらはほんの一部に過ぎないですが、
2018会計年度(2017年10月〜2018年9月)の予算として実際に
米国のビッグマネーが投じられることになります。
株式市場はおよそ半年先を見通しながら株価が先行して動いていきますので、
4月からはさらに動きが活発化してくるかもしれませんね。
【 相 場 の 格 言 】
『株券ではなく事業を買う。』
(byウォーレン・バフェット)
それでは、また会員様の喜びの声が聞けることを楽しみにしています。
執筆:加藤あきら
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