日米の政治リスクを織り込み企業業績に目線が移り始めた
先日の21日米国市場急落、続く22日の日本株急落に見られるように地合い悪化が懸念されてきました。
メディアでは円高が深掘りされたことも相まって、いろいろな理由づけがなされたようです。
未だに原因は不明のままですが、米国では下落要因として懸念されていたオバマケア
見直し案が昨日法案成立が延期され、結果は前日比変わらず。
日本では安倍政権を揺るがすとして持ち上げられた森友学園問題の籠池氏証人喚問も
安倍首相の責任問題までは波及しませんでした。
一体あの下落は何だったのか?
たしかに北朝鮮のミサイル発射などリスクとして投資家心理を冷やす要因が重なったことに
違いはありませんが、どれも釈然としない理由でした。
米雇用統計などの重要指標が悪化したとか、安倍首相が突然辞任を発表したとか、
大事に至る問題は発生していません。
ましてやオバマケアを巡る米国共和党内の不協和音やトランプ政策の遅れに懸念が
生じた等の理由は以前から指摘されていたことでした。
つまり原因不明の市場混乱でした。
本日の日本株は自律反発して全面高となっていますが、どれも買い戻しの域を出ない範囲です。
真相解明はどうやら週明けに持ち越しとなりそうですが、一部では3月20日に米国の大富豪
デービッド・ロックフェラー氏が死去されたことが原因だとする陰謀説まで出てました。
当コラムでも為替については「実需筋の買い」とか「投機筋の売り」というような表現を
することがありますが、
立場や事情が違うマーケットプレーヤーが入り乱れている中で、一時的な需給関係が歪んでしまうことがあるんですね。
この時期特有の日本企業の決算に伴うレパトリ(海外に投資していた資金を日本に戻すこと)に伴う実需筋の動きがあることにふれましたが、
個人的な推測ですが、ヘッジファンド等の仕掛けの一種だと思っています。
彼らは様々な情報ベンダーを通じて情報操作まで仕掛ける手の込みようです。
だから、米FRBの大株主でもあるロックフェラー財閥の影響力などを市場混乱の理由に
持ち出して一儲けしていってしまうんですね。
さらに、投資家心理を利用したアルゴリズムの高速取引やシステム売買が行われたとしか
考えようがありません。
東証もようやく規制に乗り出した話は出ていますが、それこそ実効性に遅れが生じてしまっているのが現状です。
ただし、何度もお伝えしてきていますが、市場イベント付近ではこうした仕掛けで度々狙われたとしても、これら早晩のうちにポジションの巻き戻しが起こります。
下値を確認した後は、日本企業の持つ「稼ぐ力」に再び注目が集まるに違いありません。
引き続き信越化学(4063)や日本電産(6594)などの稼ぐ企業には注目しておきましょう。
中小型のところでも決算が市場で素直に好感されているアルトナー(2163)やプラップジャパン(2449)などの押し目は狙っていきたい銘柄。
最後に、地味な銘柄ですが、ナカバヤシ(7987)も週足のテクニカル指標が好転してきそうです。
【 相 場 の 格 言 】
『ブルもベアも儲けることはできる。しかし、欲張りは儲けられない』
それでは、また会員様の喜びの声が聞けることを楽しみにしています。
執筆:加藤あきら
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