好材料の反応が地合い回復の第一歩
昨日の東京市場はこれまでの鬱憤を晴らすかのような戻り歩調でしたが、米国のシリア攻撃が伝わるとまた市場心理を冷やされてしまいました。
日本市場も円高と先物の急落で一時動揺が走りました。
市場ではどこまで落ちるのか予測がつかないといった様相でしたが、
米国時間では良好なADP雇用統計と米新規失業保険申請件数に対してドル高に反応し、週末の米雇用統計に対しても少し期待ができそうです。
というのも、3月は良好な経済指標に対して良いのは当たり前的な雰囲気で反応が薄かったのですが、好材料を素直に受け止める地合いに変わってきたと見るべきでしょう。
こうした地合いの良し悪しで好材料、悪材料への反応度が変わってしまうものですが、それは企業決算にも言えることです。
昨日のコラムでは悲観に包まれた市場への檄を飛ばした格好になりますが、今晩の米中首脳会談を通過すると好材料への反応もさらに強まると予想しています。
来週には米国企業の第1四半期決算が出始めますが、今回は2011年以来の好決算が期待されます。米国市場の動向次第では日本株も再び19000円台の回復が実現するのではないでしょうか。
現在の市場はトランプ相場への期待をほぼ吐き出したかたちとなっていますが、上昇を裏付けてきたのは間違いなく日本企業の業績改善が裏付けとなっていたことは疑いありません。
来週の木曜日には米銀のJPモルガンやシティ・グループ、ウェルズ・ファーゴなどの金融株を刺激する決算が控えており、前回同様に債券トレーディング収入が業績を押し上げる可能性もあるでしょう。
さらに、昨日金融株がらみで出たニュースでは昨年リスクの時限爆弾と噂されてドイツ銀行の資本増強が実現しそうだという好材料が飛び出しました。
情報ベンダーのブルームバーグ配信記事によると、「ドイツ銀行が資本増強のために実施する80億ユーロ(約9430億円)相当の増資は、ほぼ100%に近い申し込みを確保できそうだ」とのことで、同行の経営再建につながります。
主要株主には産油国や中国企業も名を連ねており、今回の増資計画に対して保有比率を引き上げる機会としてポジティブに捉えられているようです。
米国やドイツの金利が上昇してきたこともあり、銀行の収益環境は確実に改善方向へ向かいますので、長期目線で考えている彼らのような投資家にとっては金融引き締めが始まる前に積極的にリスクを取っていこうという姿勢が垣間見えます。
日本は意図的に低金利誘導してますので金融機関の収益環境は厳しいに違いありませんが、金融株が反発してくると市場の地合いも回復に向かってくると思います。
となると、注目は三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)、野村(8604)などの下落トレンドが反転するかですよね。
日米ともにまだまだトランプ大統領の一挙手一投足に目を奪われてしまって様子見ムードが強いですが、週明けには市場の景色も一変しているかもしれません。
【 相 場 の 格 言 】
『試し玉を活用すべし』
それでは、また会員様の喜びの声が聞けることを楽しみにしています。
執筆:加藤あきら
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