10日間勝負!押し目買いか戻り売りか
明らかに調整入りした日本株も主要株式指数が全てプラス引けして反発を確認。
しかし、マド開け上昇しながら始まった指数は軒並みマドを埋めて陰線引けしたところを見ると、市場底入れにはまだ疑心暗鬼の投資家心理が浮かび上がります。
先週の地合い悪化で、市場の流れは押し目買いから戻り売りに転換したことを物語っています。
ここからは各投資家の思惑が市場の綱引きを先導する展開が待っていますが、こういう時こそ冷静に相場を見極める必要があります。
3月の急激な円高への傾斜が発端であることは疑いない事実ですが、それ以上に新興株の急騰急落が激しい相場でポジションを痛めた投資家は少なくないはずです。
ただし、今日の三菱UFJ(8306)やJFEHD(5411)が5日線を抜けて陽線を立てたことは朗報で、個別銘柄には押し目買い意欲があると見てよいかと思います。
また、太平洋セメント(5233)や川崎重工業(7012)も象徴的な動きと言えます。私が期待しているのは横河電機(6841)になりますが。
マーケットの潮目を見分けると言うと難しく考えがちですが、簡単に言うと「温度感の変化」です。
東証一部の騰落レシオは直近で80を割り込み、先週末の値では「78.45」となっています。
この80割れは昨年の8/26の「78.95」以来で、さらに遡ると昨年初めの2月以来です。
これが何を表すかというと、市場の冷え込みが急速に進んだことに他なりません。
共通するのは、騰落レシオの80割れしたその後の動きは2番底を探る可能性は残しつつも、底値を形成している確率が非常に高いということができる点です。
今の時期にイメージを重ね合わせると、ここから10日間ほど強含んで上値を探り、その後10日間ほど調整して往って来いとなって、さらに10日間で乱高下して2番底形成となっています。
その後はリスクイベント等での需給要因を除けば下値を切り上げる展開が待っています。
押し目買いを入れた投資家が10日間かけて上昇したところで利益確定売りを入れる、それに合わせて戻り売りを入れる投資家がいるため市場の需給が悪化する、そんなイメージでしょうか。
ですので、ちょうど本日から10日後はフランス大統領選挙が意識されます。
また、昨年は4月の日銀金融政策決定会合が市場に冷や水を浴びせるかたちとなったのは記憶に新しい方もいらっしゃるでしょう。
ただし、昨年と大きく違うのは今月末に控える日本企業の決算は良好な業績が見込まれている点です。
そのような中で、現在の市場センチメントが過去に類を見ないほどの水準まで冷え込んでいるのはまさに“市場のゆがみ”そのものです。
これまで売り手口の多かった海外勢が急速に買いとバランスさせているのは、おそらくはその歪みに狙いをつけたことを表しているのかもしれません。
【 相 場 の 格 言 】
『漁師は潮を見る』
・・・漁師が魚を獲る際に海面上の変化に注意し潮の流れを見ているように、株式投資家は株価だけを見るのではなく、相場の大きな流れや方向性を見ていきましょう、という格言です。
それでは、また会員様の喜びの声が聞けることを楽しみにしています。
執筆:加藤あきら
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