株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2017-07-30 15:00:00

米株くらぶ

指数はそろって高値更新

7月の最終週の米国株式市場は好調な決算発表を受け、各指数は過去最高高値を更新中である。増収増益となった4-6月期の好決算を受け、広範囲の銘柄が買われている。26日発表のFOMCの声明から利上げのペースが穏やかになるとの見方が広がり、同日のNYダウ、S&P500、ナスダック総合指数の過去最高値更新につながった。

NYダウについては、金融株の決算が好調だったことに加え、エネルギー、資源など出遅れ銘柄にも買いが入っている。銅、金などの採掘を行うフリーポート・マクモラン(FCX)のQ2決算は今一つであったが、銅価格が今後強含むと見た投資家の買いが入り25日は15%高と目立った。また、25日、建機大手のキャタピラー(CAT)は好決算と業績見通しの引き上げから6%買われ、翌日の東京株式市場で建機、非鉄金属株が連想買いで上昇した。

25日夕発表の通信大手AT&T(T)の決算は、携帯電話契約件数が伸び、純利益は2ケタ増益。航空機大手ボーイング(BA)が26日朝発表した決算は、1株当たり利益が市場予想を上回り、通期の業績予想を上方修正。両社株は大幅高となり、相場をけん引した.

ハイテク株も堅調な地合いだ。アマゾン・ドットコム(AMZN)、フェイスブック(FB)、ネットフリックス(NFLX)が高値を更新する一方、グーグルは不振。24日発表の持ち株会社アルファベット(GOOG)の決算では、クラウドサービスなど非広告事業の伸びが目立ったものの、予想より弱い見通しが嫌気され、3%下げて一旦は相場の重しになった。ただ、アナリストが新事業の成長性や収益力をもとに強気な見方を変えないため買戻しの入る場合もある。
 20日発表のマイクロソフト(MSFT)はクラウド事業が躍進し市場予想を上回る増収増益を発表したものの、今期の予想が嫌気されて売られたものの、後日に買い戻されている。

 あすなろでは、好調な決算発表と業容拡大見通しを受け、株高が続くことを予想している。今回、足元で好調な決算を発表し、業容拡大が期待できるハイテク2銘柄を紹介する。

1.アイロボット(IRBT)[NASDAQ]



アイロボット(iRobot)はマサチューセッツ州ベッドフォードに本拠を置く米国の特殊ロボットメーカー。家庭用、業務用、軍事用のロボットを設計、開発、製造、販売する。床を自動的に清掃・洗浄するロボット掃除機「ルンバ」や「スパーク」のほか、戦場で偵察および爆弾探知に利用される軍事用ロボットを手掛ける。
 25日発表の4-6月期決算は、売上高183百万ドル(前年同期比+23%)、一株利益(EPS)は、基本0.29ドル、希薄化後0.27ドル、決算発表時に17年通期の売上とEPS見通し(欧州の販売会社買収の影響を除く)を引き上げた。4-6月期決算末時点の資産545百万ドル、株主資本は426百万ドル。

 好決算を受け株価は106.49ドル、(前日比21%)(現地7/26引け)。6月27日の10%以上の下げは投資会社の一社が競争激化などを理由に売りを推奨した経緯による。ソフトバンクはIoT投資関連の一つとして同社に出資している(持ち分は5%以下の模様)。米国アマゾンプライムデーでの販売は家電部門で最多だった。今後は欧州、日本などで海外展開が期待できる。


2.アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)[NASDAQ]



 アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(Advanced Micro Devices, Inc.)はカリフォルニア州サニーベルに本拠を置く半導体メーカー。コンピュータ、グラフィックス、家電市場向けマイクロプロセッサの製造、販売に従事。「AMD」の商標名でx86マイクロプロセッサ、ノート型PC、ワークステーション、サーバーに使用されるチップセットなどを提供。
 25日発表の4-6月期決算は、売上高1,222百万ドル(前年同期比+19%)、調整後の純損益は19百万ドルと、前年同期の赤字138百万ドルから黒字転換。調整後の一株利益(EPS)は、0.02ドルと前年同期の▲0.04ドルから黒字転換。4-6月期決算末時点の資産3,370百万ドル、株主資本は417百万ドル。

 株価は14.76ドル、(前日比+4.6% )(現地7/26引け)。Q2好決算の背景は新製品「Ryzen」の投入が奏功してコンピューティングとグラフィックス部門の販売好調だったことによる。クラウド、ストレージ分野に注力しており、会社側も新製品の需要について強気な見方をしている。株価も5月に売り込まれた後、上昇基調を取り戻している。

<米国株豆知識 その5>
FOMCとは?
Federal Open Market Committee(連邦公開市場委員会)の頭文字。日本の「日銀金融政策決定会合」に当たり、アメリカの金融政策を決定する会合。FOMCの議長はFRB(連邦準備理事会)議長(現行イエレン)が務め、メンバーはFRBの理事や各地区の連銀総裁で構成。
6週間ごと年間8回行われる。前回6月に利上げが発表されたことは記憶に新しい。議長の会見や声明文の内容が予想と違う『サプライズ』だった場合、マーケットが大きく反応するが、新しい情報がない場合は反応しない。
7月のFOMCでは議長会見はなし。声明文では物価動向を睨んだ今後の利上げ計画と資産縮小開始時期に関心が集まった。



執筆:パパジアン裕子


<著者略歴>
1983年上智大学外国語学部卒業後、外資系銀行、証券会社等にて勤務。モルガン・スタンレー証券、ゴールドマン・サックス証券在籍時は債券部に所属。その後渡米、1994年にニューヨーク大学でMBA(金融専攻)取得。みすほFGの米国拠点やみずほキャピタルマーケッツに勤務。2003年に帰国後は、主にみずほ証券投資情報部におけるヴァイス・プレジデントの任に就き60社を超える欧米企業を担当、グローバルアナリストとして数々のファイナンスレポートを執筆。鮮度の高い現地情報と知識に裏付けされた明快な市場分析には定評があり、常に投資家の視点を持ちながらベストパフォーマンスを追求。

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