過熱相場に飛びつかずともチャンスはある
大型、小型問わず、薄く広く買われたようです。
先週まで散々に売られて売り物が枯れているのか、あるいは戻りが足りないのか、株価の上昇に対して出来高はあまり膨らんでいないようです。
為替の動向をみると安心感が出てきたように見えますが、やはり本格的なリスクオンにはもう少しといったところでしょうか。
今晩のNY市場で米国債利回りが2.16%くらいまで伸びるようであれば、上値の節目を迎えている銀行株にとっても大きな後押し材料となりそうです。
そういう意味でも本日の米10年国債入札は今後のカギを握りそうです。
昨日まで市場で大きな注目を集めていた国連総会の北朝鮮制裁決議は米国の修正案で採決がなされました。
元々、石油輸出の全面禁止はいくらなんでも無理だろうと思っておりましたが、米国が外交方針を軟化させたことは大きな意味があったと思います。
もしかすると妥協案は初めから用意されていたのかもしれませんが、見た目としてトランプ大統領と金正恩委員長の暴走に歯止めがかかり、国際的な舞台で解決が図られることは以前の六か国協議を実現する道筋となるのではないでしょうか。
韓国の聯合ニュースでは、米国の修正案の内容として石油輸出制限だけでなく、金正恩委員長の資産凍結も見送られた旨を伝えてましたので、彼に捨て身を覚悟させるまで追い詰めることはなかったのが救いだったと思います。
今回は欧米ともに債券利回りが上昇に転じておりますし、極端なリスクオフ状態は一旦和らいだと思われ、東証の空売り比率もようやく40.0%を切ってきました。
ここから先の展開は期待したいところですが、日経平均の20000円回復にはドル円であと1〜2円ほど円安に振れてこないと難しいでしょう。
そう考えますと、指数比較で明らかに売られ過ぎているマザーズ市場をはじめとする中小型株に目を向けたいところです。
いくら需給が悪化しているとはいえ、サマンサタバサ(7829)などは1Qのスタートに出遅れたことを差し引いても売られ過ぎではないでしょうか。10月の決算で一気に遅れを取り戻してくることだってあり得ます。
先週まで無分別に売られる相場でしたから致し方ない面はありますが、ビューティガレージ(3180)のように投資家の見方がガラッと変わる可能性があることも考慮に入れておくとよいかと思います。
少し気が早いですが、10月の決算をにらんでおくのであればアドテックプラズマ(6668)なども発表1ヶ月前に入ってきますので、上方修正をさらに上乗せしてくるかもしれません。
今週末には四季報の新刊も発売されますし、9月末に向かっては成長株見直しの動きが加速してくるかと思います。
今年も昨年同様に実りの秋にするためにも、目先のテーマ株だけでなく動意前の銘柄に目を付けておくのも良い時期ではないでしょうか。
【 相 場 の 格 言 】
『相場は戦いなり、されど戦わずして勝て』
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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