株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2017-10-08 15:00:00

米株くらぶ

Q3決算控え、投資家は強気に

10月1日週明けの米株式市場は、良好な経済指標の発表と前週に発表された政府の税制改革案を好感して続伸して始まった。5日の時点で、ダウは7日続伸、ナスダック、S&Pともに小幅ながら8日続伸し、主要3指数はいずれも過去最高値を更新している。来週以降本格化する第3四半期(7〜9月)決算発表への期待(市場は7〜8%増益を見込む)もあり、調整が入るのはまだ先のようだ。
 3日に著名投資家のウォーレン・バフェット氏がTV番組で「株式売却益が減税になるかも知れないのに早まって売るのはバカバカしい」と発言したように、投資家が利益確定売りを手控えている事情もある。

 経済指標では、2日発表の9月ISM製造業景況感指数が予想の58.0を2ポイント上回る60.8となり、13年振りの高水準だった。ハリケーン復興需要への期待からキャタピラなど建機関連銘柄が足元で堅調である。また、3日発表の9月の新車販売台数は、前年同月比6.1%増で市場予想の0.4%増を大きく上回った。ハリケーンによる買い替え需要の押し上げもあったが、長らく低迷していた新車販売がついに底入れしたとの見方につながり、フォードやGMが同日買われた。
 4日発表の9月ISM非製造業景況感指数は予想55.5に対して4ポイント上回る59.8となり、サービス業の堅調な伸びが確認できた。6日発表予定の9月の雇用統計は非農業部門雇用者数増が7.7万人、失業率4.4%と予想されている。

 債券市場は先週から売られており、10年債利回りは今週に入って2.3%台で推移している。米金利高の流れを受けて先週末の東京市場で113円を付けたドル円は、今週に入って一服して112円台半ば以降で推移しているものの、ドル高基調は変わらず日経平均にプラス材料となっている。

 あすなろでは政治リスクからの短期的な調整に注意しつつも引き続き経済成長を見込んだ株高が続くことを予想している。今週は第3四半期(7〜9月期)の決算発表を控え、利益見通しの良さそうな大型銘柄2つを紹介する。
 なお、過去に紹介している銘柄のうち、有機ELのユニバーサル・ディスプレイ(OLED) (現地11/1決算発表予定)、クレジットカード決裁ソフトのスクエア(SQ)(現地10/30決算発表予定)も良い利益予想が見込まれている。
 
1.アルコア(AA)[NYSE]


 
 アルコアはアルミニウム、アルミ加工品、アルミナの米国大手メーカー。精密鋳造、航空・工業用ファスナーなどの非アルミニウム製品も扱う。製品は航空機、自動車、輸送機器、包装材、建材、石油・ガス、防衛、産業市場で使用される。また航空・宇宙、自動車、建築、発電市場向けにチタン、アルミニウムなどを扱う。世界31カ国で事業を展開。
 株価は48.25ドル、(前日比+0.71%)(現地10/5引け)。7月のQ2決算発表時に原材料費の増加から通期の業績見通しを下方修正したため売られたが、その後は回復途上にある。国際的に資源株が見直されているなかで代表格。Q3 は堅調なアルミ価格の推移と出荷増から業績の更なる改善を期待するアナリストが多い。現地10/18決算発表予定。
 Q2(4〜6月期)決算は、売上高が前年同期比23.1%増の2,859百万ドル、純損益は75百万ドルで前年同期の▲55百万ドルから黒字転換。EPSは基本0.41ドル、希薄化後0.40ドル、(前年同期は共に▲0.29ドル)。
 
2.ネットフリックス(NFLX) [NASDAQ]



 ネットフリックスは、オンラインDVDレンタルと映画やテレビ番組のインターネット配信(ストリーミング配信)を提供する米国企業。2007年より業界初の定額見放題のサービスを投入。独自のコンテンツも作成し、独占配信する。米国をはじめ、カナダ、中南米、英国、アイルランドでストリーミングサービスを展開。日本でも2015年9月から配信を開始している。
 6月末時点でのストリーミング会員数は米国51.9百万人に対し、海外52.0百万人とほぼ拮抗。米国内でも、ホラードラマ「ストレンジャー・シングス」がシーズン2に入るなど独自作成のコンテンツへの支持が定着してきた。海外も含めた全体の会員数の伸びが期待出来る。現地10/16にQ3決算発表予定。
 株価は194.39ドル、(前日比+5.39%)(現地10/5引け)。4〜6月期決算は、売上高が前年同期比32.3%増の2,785.5百万ドル、純利益は61.0%増の65.6百万ドル。EPSは基本、希薄化後共に0.15ドル、(前年同期のそれぞれ0.10ドル、0.09ドルから上昇)。
 
<米国株豆知識その14>

米国動画配信事情
米国では地上波でテレビを視ることは稀で、各家庭でケーブル会社か衛星放送会社に5千円〜1万円弱ほどの月額を支払って、スポーツ、ニュース、映画など好きなジャンルを選択した上で視聴することが普通である。
また、PCやスマホ上での動画配信も進んでいて、大学生を筆頭に若者のTV離れが加速している。米国のTV月間視聴者数は2013年の2.8億人をピークに減少が続いているという。動画配信は月額千円ほどなので、ケーブルTVや衛星放送より格段に安いから普及しているという事情もある。
動画配信会社では、ネットフリックス、Hulu(日本では日本テレビ傘下のHuluジャパンとして展開)、アマゾン・プライムなどが会員数を競い合っている。一方、今年に入ってフェイスブックがオリジナル作品の配信を強化したり、グーグル傘下のユーチューブがスマホ上でのTV番組の有料サービスを始めるなど競争が続く模様だ。
翻って日本ではテレビ視聴は無料との認識を覆すのはなかなか難しい。しかし知人のアマゾン・プライムの会員が映画視聴を始めた話をよく聞くのでやはりアマゾン恐るべしであろうか。

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