〜日本市場の無双と夢想〜
外部環境の堅調さも追い風に日経平均の高値更新が続いていますね。
アベノミクス相場の2015年高値20952円まで目前に迫ってきたことが市場の強さを表しています。
上記の高値はザラ場べースの高値で、終値ベースでは20868円ですので実質的には高値を更新したとみることもできそうです。
そうなると実に1997年以来ということらしく、おそらく市場関係者(東証)あたりではすでに歓喜の渦に包まれているのかもしれません。
現在も売り出し価格を割り込んでいる日本郵政(6178)が空売りの買い戻しで需給が改善してくるようだと、日経平均の強さにも拍車がかかりそうです。
同じく日経225採用銘柄で、大きく足を引っ張ってしまっているのが話題の神戸製鋼所(5406)です。
昨日ストップ安で、本日は800円台での攻防でしたが日本を代表する企業だけにデータ改ざんの余波は大きく、取引先企業の多さからも叩いたらまだまだホコリが出てきそうな気がします。
先日上場廃止になったタカタ(旧7312)のようにならないことだけを祈りたいところです。
特に日本はモノづくりで世界と比肩するメーカーも多いですし、技術力を有してニッチな分野で活躍する企業も多いです。
ただし、その背景には良質な素材を提供できる企業があってこそです。
だからこそ同社の今回のようなニュースは影響も大きく、対象製品の数量は、アルミ製品は約19万トン、銅製品が2万トン、アルミ鋳鍛造品が約2万個にのぼるとされています。
こうなると素材セクターだけでなく、自動車や機械、化学プラント、電力なども影響大ですし、今流行りの防衛関連企業にも納入済みということでニュースにまで取り上げられています。
信用力低下が及ぼす投資家の失望売りがどこまで続くのか、実際にホルダーでなくても注視しておく必要がありそうですね。
また、それだけで済むはずも無く、同社の販売先には北米のGMやフォード、欧州のロールス・ロイスや中国の浙江方正電機などが名を連ねており、今後ここぞとばかりに損害賠償請求されて業績を圧迫することにもなりかねません。
おそらく今日寄り付いたことで、しばらくの間はマネーゲームのおもちゃにされる可能性もありますので、それでもエントリーされるという方は潤沢な資金を用意した上で臨むのがよいかと思います。
グループ会社の神鋼商事(8075)や神鋼環境ソリューション(6299)も一緒になって売られてますが、もちろん仕入れにも販売にも影響が出るので最善の注意をはらっておきましょう。
ただし、考えようによっては仕入先にあがっている日本高周波鋼業(5476)などは急騰後の押し目を提供してくれたと考えられますし、代替需要銘柄探しも活況なようです。
まさしく無双モードに入っている日経平均ですが、あくまでも指数の動きであることに注意が必要です。
市場の地合いの良さを個別銘柄の動きに落とし込みながら、冷静に取り組んでいきたい局面ではないでしょうか。
くれぐれもマネーゲームの夢想に憑りつかれて過大なリスクを取り過ぎないように注意しましょう。
【 相 場 の 格 言 】
『目出たくも春を迎えむ心なら、引かれ玉に餅を食わすな』
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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