株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2017-12-17 15:00:00

米株くらぶ

FOMCを受けダウは最高値更新中 〜決算期待ハイテク銘柄: オラクル、スナップ

12月11日週明けの米株式市場は先週末の景気回復を裏付ける強い雇用統計発表を受けダウが続伸して始まった。13日に年内最後のFOMCの結果が発表され、12月の政策金利の0.25%の利上げが決定。来年は3回の利上げ予定と市場予想通りの展開となった。2018年の経済成長予想は2.5%と前回2.1%から引き上げられたが、利上げペースに変更はなかった。
 任期が終わるイエレン議長の会見では、「緩和的な金融政策が力強い労働市場の状況を支えていく。資産価格の上昇について過大評価は見られない。」と発言され、買い安心感につながった。FOMCを受けてダウは4日連続で高値更新し、ナスダックも反転。一方でS&P500は小幅下落した。

個別では、アップル、ディズニー、マイクロソフトなどがダウの押し上げに寄与する一方、ハイテク分野のマイクロン・テクノロジー、ブロードコムなど半導体関連が利益確定売りに押され軟調な展開となっている。また13日のFOMCを受けJPモルガン・チェースやバンカメなど金融株が売られた。

経済指標では12日発表の11月卸売物価指数が前月比0.4%増、エネルギー、食品を除くコア指数0.3%増と市場予想とほぼ同じ水準。13日発表の11月消費者物価指数は0.4%増と市場予想に並んだ一方、コア指数は0.1%増と市場予想0.2%を下回った。いずれもインフレ加熱感につながらなかった。

債券市場は週初、利上げを目前にして10年債利回りが2.4%近辺まで上昇。長期金利上昇を受けてドル円は113円前半〜半ばで推移していた。しかし13日にFOMC結果が発表されると一旦利上げの材料を織り込んだこともあって債券市場は買いに転じ、利回りは急低下した。10年債利回りは2.34%台まで下落した。また、NY市場でのドル円は112円半ばまで急落。14日の東京市場ではやや持ち直して112円後半で取引されている。

あすなろでは引き続き税制改革法案決議の進捗に注意しつつも、穏やかな景気拡大が続く環境に大きな変化なしとみて、米株の堅調が続いていくとみている。今週は前回の決算発表が振るわなかったものの、次の決算発表での巻き返しが期待できそうな2銘柄を紹介したい。

1. オラクル(ORCL)[NYSE]



 カリフォルニア州に本拠を置くソフトウエア企業大手。主にデータベース、アプリケーション、ソフトウエアの開発、製造に加え、サポート、保守、運用管理サービスを企業向けに提供。また、ハードウエア事業はサーバーとストレージシステムの販売、技術サポートを展開する。サービス事業はクラウドサービス、コンサルティングなどを手掛ける。現地12/14に9〜11月期決算発表予定。クラウド事業の伸びが期待されている。

 9/14発表の18年度Q1(6〜8月)決算は事前予想を上回ったが、注力するクラウド事業の伸びについて9〜11月期は前四半期比で鈍化すると発表し、株価は下落した。ただし、新製品の投入もあってクラウド事業の立ち上がりは最悪期を脱したとする見方もあり、決算発表が注目される。

 株価は50.19ドル、(前日比+0.28%)(現地12/14引け)。18年度Q1(6〜8月)決算は、売上高が前年同期比7%増の9,187百万ドル、純利益は21%増の2,210百万ドル。EPSは基本0.53ドル、希薄化後が0.52ドルで前年同期のそれぞれ0.44ドル、0.43ドルから上昇。クラウド事業の売上は51%増の1,467百万ドル(増加率はすべてドルベース)。同事業の売上構成比は16%で前年同期の11%から上昇。

2. スナップ(SNAP)[NYSE]



 カリフォルニア州ベニスに本拠を置く米国のソーシャルメディア企業。写真・動画共有アプリの「スナップチャット」を通じ、短いビデオや画像イメージで情報交換やコミュニケーションのサービスを提供する。また、同社開発のサングラス「スペクタクルズ」は人間の視点でのビデオ撮影を可能にする。2月初めに10〜12月期決算発表予定。

11/7発表のQ3 (7〜9月)決算では、「スペクタクルズ」の主に買い注文の取り消しによる在庫償却が響いて赤字幅が拡大。一日当たり有効利用者数の増加も市場予想に届かなかったことで株価は下落。17年初に新規上場したばかりなので先行期待が大きくなるのは止むを得ないが、CEOがアナリスト会議でコンテンツの充実とAI への注力を述べ、証券会社の好意的なレポートが発表されたことなどで株価は足元で持ち直している。CEOの視点は良いのであとは有効利用者数の伸びが数字に表れるのを待つことになろう。

株価は16.04ドル、(前日比+0.50%)(現地12/14引け)。Q3(7〜9月)決算は、売上高が前年同期比62%増の207.9百万ドル、純損失は赤字443.2百万ドルと前年同期の124.2百万ドルから赤字拡大。EPSは基本、希薄化後ともに▲0.36ドル。一日当たり有効利用者数は17%増の178百万人。

<米国株豆知識その24>
ビットコインその2
デジタル仮想通貨ビッドコインは12月10日にCBOE(シカゴオプション取引所)での先物取引が開始され、18日にはCMEグループとナスダックの2つの取引所での新たな先物取引の開始が予定されている。足元2〜3ヵ月で価格が大幅に上昇し、あたかもゴールドラッシュの様相を呈しているビッドコインだが(世界中のビッドコインの取引高のうち日本円が4割強と米国の4割弱を上回っており、日本人投資家の台頭も話題に上っている)、米国から権威者によるコメントがいくつか入ってきているので紹介しておきたい。
SEC(証券業協会)会長のジェイ・クレイトンは先物取引開始後、「ビッドコインには投資家保護の方策が全くない。いかなるデジタル仮想通貨も証券としてSECへの登録がなされていない。」と声明を発表。11日、UBS証券のチーフエコノミストのポール・ドノバンは「裏付けとなる資産がないまま、供給量だけが増えていくのが疑問」とコメント。ゴールドマン・サックスのCEOのロイド・ブランクファインは「大きな価値のある取引には使えず、一日に価値が20%も上下するのではもはや通貨とは呼べない」と危険性を強調。
一方、ビッドコイン擁護派は、「マイクロソフト、ターゲット、ホームデポなどビッドコインの支払い受領している小売りは増えつつあり、流動性は心配ない。」と主張している。なお、米政府の姿勢としては税金の支払いへの使用を許可しておらず、中国のように投機性を嫌って一部取引所でのビッドコイン取引を中止した例もあることに留意しておきたい。

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