強気ムード継続 〜家電見本市「CES」と電気・ハイブリッド自動車:アルベマール、アリソン・トランスミッション
個別では、9日より開催される家電見本市「CES」に先立って行われた企業CEOによる記者会見を材料に、自動車関連銘柄から自動運転技術分野に参入するグラフィック半導体のエヌビディアや電気自動車のテスラ・モーターズなどが週初に買われた。
経済指標では9日に世界銀行が2018年の世界経済成長見通しを3.1%と発表。投資や生産の伸びを理由に17年6月時点の2.9%から上方修正した。国別では米国は2.5%、日本は1.3%とともに上方修正したが、19年については伸びの鈍化を予想。完全雇用を達成している米国について2.2%、日本は増税の影響もあって潜在成長率に並ぶ0.8%を予想している。
債券市場は日銀がいよいよ緩和政策を弱めるのではないかとの観測も手伝って弱含んでいる。10日時点で10年債利回りは2.55%と、10ヵ月振りの高水準に達した。ドル円は米長期金利上昇を受け、週初は112円後半をつけていたが、持ち高調整も入り、東京市場の11日時点で111円台まで円高が進んでいる。原油市場は、需要増から在庫の取り崩しが進むとの観測から、9日のNY市場でWTIが1バレル62.96ドルと3年ぶりの高値を付け、10日も63ドル台で引けている。
あすなろでは利益確定売りの調整に留意しつつも、穏やかな景気拡大が続く環境のなか、FRBの慎重な利上げスタンスに大きな変化なしとみて、米株は堅調続くとみている。1月よりQ4決算発表シーズンが始まるため、業績の上向きが期待できるものについて「買い」で臨みたい。今週は家電見本市でテーマとなった電気・ハイブリッド自動車の分野から2銘柄を紹介する。
1. アルベマール(ALB)[NYSE]
ノース・カロライナ州に本拠を置く米国の特殊化学品メーカー。石油精製、家電、プラスチック包装材、金属加工、建築・建設、自動車、潤滑油、医薬品、作物保護、食品安全など広範な市場向けにリチウム、リチウム化合物、臭素、触媒、表面処理剤などの特殊化学品を開発、製造、販売する。同社の製品は約100カ国で販売される。
2017年夏に中国が2020年までに電気自動車などの新エネ車を累積500万台生産すると発表し、又欧州でもガソリン車の排除が進む予定であることからリチウム電池メーカーが脚光を浴びている。同社はリチウム電池の主な材料であるリチウムを製造するメーカー。11/8発表の17年度Q3(7~9月)決算は、ハリケーンの影響を受けて減益となったが、部門別では、主力のリチウムおよびアドバンスト・マテリアルズが43%増収と好調である。チリでのリチウム採掘の技術革新を進めると発表しており、業容のけん引役が今後も期待されよう。
株価は134.69ドル、(前日比+1.30%)(現地1/11引け)。17年度Q3(7〜9月)決算は、売上高が前年同期比15%増の755百万ドル、純利益は7%減の119百万ドル。EPSは基本1.07ドル、希薄化後1.06ドルで前年同期の1.14ドル、1.13ドルより減少。
2. アリソン・トランスミッション・ホールディングズ(ALSN)[NYSE]
インディアナポリスに本拠を置くオートマ変速機メーカー。中・大型商用車、米軍戦車やハイブリッド推進システムの交通バスなどのフルオートマチック変速機を設計、製造。同社の変速機は、救急車、スクールバス、キャンピングカー、オフハイウェイ車両、エネルギー業や鉱業の機器などさまざまなアプリケーションで使われている。同社製品は険しい山道での発進、発着を容易にすることで日本では箱根登山バスでも使われている。
10/30発表のQ3 (7〜9月)決算は北米市場での堅調な需要増加から増収増益となり、事前市場予想を上回り、また17年通期の増収予想も21〜22%へ上方修正した。都市バスに利用されるハイブリッド推進システム(ガソリンで動くエンジンと電気で動くモーターを組み合わせて燃費向上を図る)は、売上構成比は3%と僅かだが今後は米国市場以外でもアジア、欧州での需要増が見込まれる。
株価は44.76ドル、(前日比+0.40%)(現地1/11引け)。Q3(7〜9月)決算は、売上高が前年同期比37%増の595百万ドル、純利益は147%増の111百万ドル。EPSは基本、希薄化後ともに0.75ドルで前年同期のともに0.27ドルから増額。
<米国株豆知識その26>
家電見本市「CES」とは毎年ラスベガスで開催される世界最大の家電見本市。今年は1月9日(現地)より4日間に亘って開催。電機、半導体、自動車関連のメーカーなど3,900社以上が出展し、業界のバイヤー、セラー、メディア、アナリスト等17万人が集う。個人の参加はない。
今年のテーマは自動車の自動運転、AI、AR(仮想現実)、デジタル・ヘルス、ホームコネクテッド機器など。自動運転の分野からは、トヨタ自動車(7203)がアマゾン・ドットコムやウーバーと共同してサービス業向けの自動運転車の開発を発表したことで注目を浴びた。
また、フォードモーターのCEOが「モビリティ・ソリューションズとスマートシティへの前進」というタイトルで基調講演したことは、脱ガソリンの新エネ車の浸透を予想するものとして人々の記憶に残るかも知れない。
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