今週は為替相場での円高の動きが上値抑制につながり、相場のリード役はいまひとつ元気がなかった。

しかし、先週号に書いた通り、円相場などの外部環境の影響を受け難いバイオ株や不動産、電鉄系、などの内需株が買われ、循環物色リズムが効いていた。



そんな中、12月のコラムに書いたポエック（9264）が今週も絶好調。直近IPOのオススメとして紹介した銘柄だが、同時に紹介したIPO株、マツオカ（3611）も週末に暴騰。うまく乗れた方はおめでとう。

そして、次に注目しているIPO株がクックビズ（6558）だ。

ます、事業内容を見てもこれから高成長が期待できる。飲食業界向け人材紹介、求人広告事業や人材研修を手掛けていて、求職者と飲食店のマッチングを行っている。

昨今はあらゆる業種、業界で人材不足が起きているが、手数料が低い飲食業界への大手参入は考え難く、ライバル企業は少ない。

また、業界では一人のコンサルタントが一気通貫で担当するのが主流だが、同社は分業制をとり、回転率を上げることで黒字化に成功している。

今後は料理人やシェフと繋がるSNSアプリ「Foodion」にも力を入れ、「転職のインフラ」を目指すとのこと。

今年は大きくなりそうだ。

そんな同社社長が持つ名刺が一風変わっていて面白いという。

どんな名刺かというと、折り畳み式で自社製品の画像や子会社の画像、拠点を書き入れた日本地図が書かれている。それ以外にも、「ご縁を大切にします」との言葉とともに五円玉と、「40歳を過ぎた人間は自分の顔に責任を持たなければならない」というリンカーンの名言とともに鏡も貼り付けられているそうだ。さらに折り畳まれた名刺を開くと、社長の写真がポーンと飛び出してくる仕掛けもあるとか。

株式市場にデビューしたての奇想天外な社長がこれからどんなことを仕掛けてくるのか、今後も楽しみだ。

このように、このコラムでは事業内容だけではなく、経営者の人柄にも視点を当て、魅力のある経営者である点にも注目し、成長が期待できる銘柄を紹介している。

例えば、昨年の大晦日号に書いたはるやま（7416）だが、年始から株価は右肩上がりと好調に推移している。同社社長の奇想天外ぷりも記してあるから、是非読んでみてほしい。（12月31日の大晦日号を参照）



話は変わって、米国や欧州は金利を段階的に引き上げていくことが観測されているが、日本に関しては「デフレ脱却宣言」をするためにも、超低金利水準が続くと思われる。今年も不動産業界などは良好な経営環境が続きそうだ。

注目したいところでは、借家人向けの家賃債務保証サービスを手掛けるジェイリース（7187）だ。

同社は申込件数の増加や業務効率化による経費削減などが寄与する見込みで、最終利益が最高益を更新した2017年3月期に続き、今期も好調な見通し。

株価は1000円の節目を抜ける場面も見られ、着実に水準訂正が進むと見る。



他にはオールアバウト（2454）に注目したい。

同社は旅行、食べ物、健康、広く情報を集め、総合ポータルサイトを運営。インターネット広告収入が伸びている。

日本テレビとの合弁設立などもあり、テレビ番組とEC事業の連携などが功を奏している。これは今後も評価される材料だろう。

チャートはここから勢いが出てくると、足の軽い相場に発展していきそうだ。



その他、新たな思惑株では日邦産業（9913）とレイ（4317）に筋介入との情報あり。日邦産業は車載部品を扱っているため隠れEV関連としても見られる銘柄だ。レイに関しては良い決算が出たから参入するには安全か。



最後に来週の相場だが、「買いにくい相場ほどよく上がる」と言われるように、買いにくい理由の一つだった米国株の割高感が後退している。

米指数のS&P500ベースの予想PERが今年に入ってから急低下。昨年末時点までの予想PER20倍台から足元では18倍台程度にダウンしている。

これは米株の見直し買いにもつながる要因となり、米国株はなお上値追いを辿ることになりそうだ。

そうなれば、日経平均の予想PER15.6倍台の水準にある日本株も当然ながら買いが広がっていくだろう。

さらにドル円チャートは雲のネジレを通過。先行スパン2が平行になる起点に位置し、円高は一時的で終わると予想する。よって円高で売られた株のリバウンドに期待したい。


それでは今週はこの辺で。
来週もお楽しみに。