変化に資金を投じることが投資
SQ通過後の週明けの市場は休み前の米国株高を追い風に強い地合いが継続しています。
為替が円高に振れて110円台に突入していますので、上値が重い展開を余儀なくされていますが、それでもSQ値の23723円を堅持できたことは特筆すべきでしょう。
通例であれば、年頭のご祝儀相場からのスピード調整で売り物が出てくるはずですが、持ち高調整をこなした上で主力株がこれほど底堅いのであれば市場の需給が崩れる状況にはないと言えます。
さらに、米国市場は日本に先がけて決算シーズン入りしていますが、好調な企業決算をうけて景気敏感株が買われる強い先高観が広がっており、金融株も総じて株価が上昇しています。
情報ベンダーのBloombergでは、世界最大の資産運用会社ブラックロックの運用資産が6兆ドル(770兆円強)を超えたと配信しており、米国の税制改革による恩恵をすでに受けつつあるようだとしています。
一つの運用会社で日本のGDPをはるかに超える運用総額を持ち合わせていることに驚きを隠せませんね。
同社のCEOは「顧客は資金を活用しようと投資を増やしている。この動きは続くとみている」と述べていることからすると、世界的にニューマネーが流入していることが窺えるかと思います。
つまり、株式市場の需給だけでなく、リスク資産の運用における需給が改善していることになり、これこそがまさに大きな“変化”であると言えます。
これを“バブル”だと一言で片づけるのは簡単ですが、それでは思考停止状態と変わらなくなってしまいます。
そうなると、リスク資産が上昇している本当の理由を探る必要が出てきますね。
世界の潮流から見れば、前代未聞の金融緩和でお金がじゃぶついて、価値が相対的に低くなるインフレの芽が出始めたこと、そして、原油や金をはじめコモディティ価格が上がってオルタナティブ投資も活発化していること、さらにその一環で政治不信からくる仮想通貨ブームまでも巻き起こっていることです。
すなわち、≪現金の価値が落ちている≫という相対的な価値変化を見落とすことができない状況にきているのです。
だからこそ、株式投資の重要性が高まっており、しかもこの動きは一過性のブームで終わるものではない可能性があるのです。
よって、市場の空売り比率の高まりをみるに、これでようやく需給バランスが均衡しているのであれば、無理に上値が上値を抑えられている状況と言えます。
ここからは米国企業の決算シーズンを過ぎた後の日本株、あるいは円高調整後の日本株の押しを外国人が根こそぎ拾いにくる可能性は大いにあります。
その押し目買いの主体が海外マネーではなく、日本の個人や年金が担うことができたらいいなと思っています。
というよりも、それがむしろ先進国の市場としては自然なかたちだと思うのです。
日本株にはまだまだ評価余地のある銘柄がたくさんありますので、米国市場のように強い先高期待をもってお取り組み下さい。
今日も週末の決算で上下した銘柄が多数ありますが、こうした企業に対する見方の変化こそが、我々投資家がその本質を見極めるべき対象で、そのリスクを取っていくからこそ利益という果実がもたらされるのです。
ただし、JMACS(5817)のような小型株に取り組む場合には決算前後でのポジション管理をしっかりと行った上で臨んでいく必要があり、それさえできれば恐れるものはありません。
【 人 生 の 格 言 】
『どんどん変わっていく。変化がこの国に起きて欲しいと思っている。』(元村上ファンド代表 村上世彰)
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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