敬天愛人
新年を迎えて早くも1月の後半戦に入ってまいりました。
年初のスタートを気持ちよく乗れた方も、相場はまだまだ始まったばかりとここからの展開に期待を寄せる方もさぞ多いことでしょう。
相場には毎年さまざまなドラマが繰り広げられますが、年が明けて大河ドラマも新しく『西郷どん』が1/7よりスタートしました。
今回は明治維新150年を記念しての制作で、維新の立役者である西郷隆盛をクローズアップしています。
私も現代に生きる1人として、先人の築き上げてきた日本の歴史には大変興味を抱いています。
大河ドラマは今回で57作目となりますが、視聴者が減っていると批判されながらも、根強いファンもさぞ多いことでしょう。
この西郷隆盛なる人物、明治新政府に対する士族の反乱が相次ぐ中で、士族のリーダーに担がれ、ついには西南戦争を指導したとして悪者役に仕立てられたことで有名です。
いつの時代も新しいことが生まれる時というのは、これまでの秩序が大きく変革していくことに抵抗する反体制派は存在するもので、人間は同じことを繰り返してしまうのが悲しい性です。
でも、明治維新の立役者、西郷隆盛はその功績だけでなく人柄や人徳から今なお多くの尊敬を集めています。彼が残した言葉「敬天愛人」を座右の銘とする経営者も少なくありませんね。
「敬天愛人」とは、天を敬い人を愛すること。
ここで言う「天」とは、「真理」「神」「宇宙」などといった意味だそうです。それを敬い、それに従う。
そして「愛人」とは広い人間愛や万人への慈愛などを表します。
西郷隆盛が慕われる理由は、その本質的な人間性とこの「敬天愛人」という言葉に多くの経営者の理想が詰まっているからかもしれません。
崇高な理想の下、愛を持ちながら行動すべき時は断固として行動する。
そしてその行動は、自分たちの利益や他人からの評価を求めるところから発するのではなく、大義や使命や天命といったところから発するというわけです。
西郷隆盛はこの言葉そのままを生きた人物だったと言えるでしょう。
生涯を天命と仁愛に捧げた人。
彼の生き様を知れば、さらにこの言葉が胸に響くことと思いますので、今回の大河ドラマは見どころ満載と言えます。
人としてどう生きるか迷った時、この言葉を思い出せば、踏ん張っていけることもあるんじゃないかと思います。
個人的には、前回の『おんな城主 直虎』やその前の『真田丸』も全話を網羅できたわけではありませんが、非常におもしろかったと思います。
直虎が育てた井伊直政も真田丸の主人公である真田幸村も、戦国時代最強と謳われた“甲州武田騎馬軍団”に通ずる武士魂を感じることができます。
最強騎馬軍団の中でも特に恐れられた“赤備え”は武田四天王の山県昌景が率いていたもので、朱く塗られた鎧をまとった集団が戦場を蹂躙しました。
それを畏敬して「真田の赤備え」や「井伊の赤備え」が系譜を引くことになりました。
現代においてはそうした戦場を駆け回る武者はもう必要とされませんが、武士としての生き様は今でも憧憬を呼び起こします。
『西郷どん』の話からだいぶ飛躍してしまいましたが、株式市場も云わば力と力がぶつかり合う戦場と言えます。
来週の相場に向かうにあっては「行動すべき時は断固として行動する」彼らの生き様を胸に、赤備えで恐れられるように華麗に立ち回って利益を狙っていきましょう。
来週の赤備え銘柄・・・【ダイヤモンド富士銘柄】
【 人 生 の 格 言 】
『大事に望みては、機会は是非、引き起こさざるべからず
(大きな目標に向かって進もうとする時は、決行する機会は自分で積極的に作り出す。消極的でいては機会はやってくるとは限らず、目標を達成できない場合もある。)』(明治政府参議 西郷隆盛)
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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