株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2018-01-21 15:00:00

米株くらぶ

NYダウ2万6千ドル突破 〜電子部品:IPGフォトニクス、コグネクス

1月15日週明けの米株式市場は16日に企業業績見通し改善を見込んだ投資家のリスクを取る勢いに乗ってダウが節目の2万6千ドルを一旦は突破した。しかしその後は利益確定に押され、売り優勢となり、ナスダック、S&P500とともに3日振りに小幅反落した。
翌17日には12月の鉱工業生産が市場予想平均を上回ったことやアップルの投資計画などを好感して反発。3指数ともプラスに転じ、過去最高値を更新。S&P500は節目の2,800ドルを超えた。

個別では、16日にシティグループがQ4決算を発表。税制改革を受けた一時費用を計上し、赤字に転落したが、税制改革の影響を除いたベースでの一株利益が市場予想を上回ったことで買われた。17日にはアップルが投資計画を発表して買われた。2500億ドル以上の海外留保利益をほぼ全額米国内に還流することで約380億ドルの税金を支払う一方、今後5年で製造分野など米国内に3500億ドルを投資し、2万人の新規雇用を創出する内容。海外留保益の多い他企業の動向が注目されている。

 経済指標では17日に地区連銀報告書(ベージュブック)が公表され、11の地区で「景気が緩慢から穏やかに拡大」との内容が利上げペースの加速の見方につながっている。

 米債券市場は株高が続く一方で弱含んでおり、17日時点の10年債利回りはベージュブックの発表を受けて2.57%台を付けた。為替は、各国中央銀行の動向に影響されやすい地合い続く。
 日銀が緩和政策を弱めるのではないかとの見方も手伝い、ドル円は東京市場の17日時点で110円台後半まで円高が進んだが、翌18日は日経平均が戻るにつれて111円台半ばで取引されている。一方、ユーロドルはECB副総裁が緩和政策の継続を意図する発言をしたことで弱含んでいる。原油市場は、産油国が生産抑制するなか、需要増から在庫の取り崩しが進むとの観測をもとに引き続き買われており、17日のNY市場でWTIは1バレル63.97ドルで引けている。

あすなろでは利益確定売りの調整に留意しつつも、引き続き内外環境に大きな変化なしとし、米株の堅調が続くとみている。Q4決算発表シーズンが始まっているが業績の上向きが期待できる先について高値を追っても「買い」で臨みたい。今週は電子部品メーカーから2銘柄を紹介する。


1. IPGフォトニクス(IPGP)[NASDAQ]



 マサチューセッツ州オックスフォードに本社をおく電子部品メーカー。資材処理、通信、医療など幅広いアプリケーションに使用される高性能ファイバーレーザーと増幅器を開発、製造、販売する。製造施設を米国、ドイツ、ロシア、イタリアにおき、地域販売代理店を日本、韓国、インド、英国に持つ。
 同社のレーザー製品は様々な材料に応用でき、血管ステントの切断から造船の溶接まで実に多岐にわたる。10/30発表のQ3 (7〜9月)決算は3Dプリンター向けなどマテリアル・プロセシング部門がけん引し、大幅増収増益。米国外でも中国、欧州が好調で不振の日本を補った。Q3時点の粗利益率は57.2%、営業利益率は40.8%。Q3決算発表時に17年通期の増収見通しを37〜39%へと引き上げた。
 株価は260.75ドル、(前日比-0.08%)(現地1/18引け)。Q3決算は、売上高が前年同期比48%増の393百万ドル、純利益は67%増の116百万ドル。EPSは基本2.16ドル、希薄化後2.11ドルで前年同期のそれぞれ1.30ドル、1.29ドルより増額。

2. コグネックス(CGNX)[NASDAQ]



マサチューセッツ州に本社をおく特殊機器メーカー。主に、高精度画像処理技術を取り入れたマシンビジョンシステムや工業用バーコードリーダを製造、販売する。ビジョンシステム、ビジョンソフトウェア、ビジョンセンサ、表面検査システムなどの、ファクトリーオートメーション(生産自動化)を世界各地で提供。
 10/30発表のQ3 (7〜9月)決算は主にコンシューマエレクトロニクス分野がけん引し、大幅増収増益。同社製品は画像処理による生産自動化、欠陥品の除去などを可能にする。市場は自動車、消費財、医療機器、太陽電電池と多岐にわたっているのが強みで、利益率の向上につながっている。Q3時点の粗利益率は76%、営業利益率は42%。アップルやBMWなど大手も顧客に持つ。現地2/15引け後にQ4決算発表予定。
 株価は68.27ドル、(前日比-0.18%)(現地1/18引け)。Q3決算は、売上高が前年同期比76%増の260百万ドル、純利益は91%増の102百万ドル。EPSは基本1.18ドル、希薄化後1.14ドルで、前年同期のそれぞれ0.63ドル、0.61ドルから増額。


<米国株豆知識その27>
北米自動車ショーとGM、フォードの動向
14日にデトロイトで開幕した北米自動車ショーでは、自動運転と電気自動車を巡る各社の動向が注目された。フォードはトラックやSUVの電動化を進めるとして22年までに110億ドルを投資する方針を発表した。GMは自動運転の投資について従来の6億ドルから10億ドルに増額すると発表。19年には自動運転車の量産が実現するよう、自動運転車のテストの実施を当局に申請中とのことである。
大気汚染対策を進める欧州や中国での事情もあり、一部の証券会社は2040年までに電気自動車のシェアは全体の3割弱を占めると試算している。電気自動車の大量生産開始は今世紀はじめにT型フォードが誕生したことに匹敵する程の規模でサプライチェーンやエネルギー業界に大きな影響を及ぼすとみられている。

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