無風のトランプ発言が示すのは未来の変革
トランプ米大統領の一般教書演説も無事に通過して、ひとまずの安心感から徐々に買いが入るようになってきました。
肝心の演説は、いつもの「米国を再び偉大に」で始まり、「明確なビジョンがある」ことを改めて強調しました。
市場反応は限定的でしたので特段のサプライズは無かったと思われますが、「大規模減税が非常に大きな安堵感を与えている」というのは今後の米国市場についてまわる高値警戒感などを払拭する意図が感じられます。
年初で1/2の『加藤の相場展望<番外編>』でも今年の米国市場について詳しくふれていますが、かの国は成長し続けなければ財政赤字を埋めることはかないません。
米国は旺盛な個人消費に支えられてきた経済構造ですので、賃金や雇用の重要度が非常に高かったと言えますが、世界全体に低インフレが蔓延している現在の延長線上には繁栄はありえないわけです。
米国の成長には、グローバル企業が海外で稼いでくることと政府のインフラ需要創出による内需活性化の両輪が必要なのです。
だからこそトランプ米大統領は昨年の減税法案に続いて、「少なくとも1.5兆ドルのインフラ投資法案成立」を声高に叫んだわけですね。
今起きている経済構造の転換は、米国だけに特有の問題ではなく、テクノロジーの進化がもたらすイノベーションによって、既存の社会インフラ自体が大きく変革する時期にきていることを示しています。これは日本も例外ではありません。
おそらく個人が消費の主体であることに変わりはないと思われますが、国や政府が老朽化したインフラを刷新・廃棄して、よりスマートな社会の実現にお金を使うことになってくるのだと思います。
トランプ発言に対して市場はサプライズなしで無風通過しましたが、明確なビジョンとは未来の変革を確かに見据えているよというメッセージだったと思われます。
さて、本日は昨年の9月に公開した【クラウドビッグウェーブ銘柄】が3.3倍超に上昇して最終目標を見事達成してくれましたが、こうした時代の変革の波に乗る銘柄は、誰が割高だ、天井だと言おうが買われていくんですね。
案外、株価の上昇にフタをするのは自分の思い込みであったりするものです。
弊社の最終目標も6ヶ月などのお取り組み目安として期間で区切っているだけですので、それ以上に上がっていくことも十分にあり得るでしょう。
しかも、自分が売り切った後にこそよく上がるっていうアレです。(笑)
昨日のコラム「各国の思惑と相場の裏読み」の続きになりますが、米中はこれから覇権国としての大国争いは避けられないでしょう。トランプ米大統領の「悪い貿易協定の修正に取り組む」という今日の発言もまさにつながってくるわけですが、日本はこの2大国にはさまれていますので、どうしてもとばっちりを受けることになります。
貿易不均衡の是正で両国が通貨安競争に突入してしまうと、米国はドル安で振り上げた拳を下ろすことはできなくなるでしょうし、中国も中国で米国債の購入停止を交渉のカードに使い始めたら、いずれにしても円高要因となり得ます。
明日からは2月に入り、渦中の平昌オリンピックが開幕となります。
今日も引けにかけて弱含むなど方向感が掴みにくい地合いが劇的に変化することはありませんでしたが、各国の思惑で市場が振り回されるのは当面続きそうです。
いずれにしても、日米ともに年初からの上昇ピッチが早かったので、スピード調整を必要としているのかもしれません。
個人的には米国の割高株と日本の割安株が連動するのはいずれ辻褄が合わなくなってくると思います。
騰落レシオも12/6以来に100を切ってきましたので、全体としてはそろそろ下げ止まりを探る頃合いでしょうか。
明日は月初の株高に期待しながら、【天地創生ゴッド銘柄】で2月の安値圏からの反発で天地創生の一気食いを狙っていきましょう。
【 人 生 の 格 言 】
『 分散投資は、無知に対する防衛策だ。 』(米バークシャーハサウェイCEO ウォーレン・バフェット)
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日紹介した銘柄】
天地創生ゴッド銘柄(2/7公開)
執筆:加藤あきら
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