株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2018-02-06 08:30:00

加藤あきらの投資戦略室

【緊急フォロー】相場急変の時こそ再確認 [2]

おはようございます。

前週末以来の米国市場急変の折、お取り組み前の時間から失礼いたします。

昨日は前週末の米長期金利の上昇と米国株安が嫌気され、売り優勢の全面安で市場が緊張感に包まれました。

日経平均は先行して下げていた分があるにしても、592円安(▲2.55%)と大きな売り圧力にさらされています。

昨晩のNYダウは寄付き後に急反発する場面がありましたが、昨日のコラムでお伝えした半値落ちの下値メド25100ドルまで往って来いと反落し、朝方4時過ぎにこれを割り込むと下げが加速してわずか30分の間に23923ドルまで下落しました。

また、中期的な下値ラインとお伝えした24300ドルも一瞬で貫通していますので、調整が長引く懸念が出始めるものと思われます。

その中における最大瞬間風速は約7分間ほどで800ドル近い急落と、人間では考えられない値動きとなっています。

これには当然ながらヘッジファンドがプログラムするHFT(High frequency trading:超高頻度取引)、通称アルゴリズム取引が深くかかわっているとみられ、売りが売りを呼ぶ展開となりました。

対処法を考えるにあたり、今回の下げの要因を探る必要がありますが、まず信用ポジションをとられている方は損益にかかわらず、追証発生を避けるために早急にポジションを解消しておく必要があります。

一方で、現物ポジションに関しては損切りも視野に入れる必要がありますが、不用意に売るというよりも朝方の投げ売りが出切ったリバウンドのタイミングを見計らって冷静に売り時を探るのがよいでしょう。

逆に、こういった急落時には買い場と捉える向きもあるかと思われますが、すでにお伝えしている通りに買い向かうのは金融株が最善の選択となり得るかと思います。

昨日のコラムでも当時と現在とではNYダウ指数の絶対値が違うことを指摘し、値幅ではなく下落率で実態を把握することを解説しましたが、昨晩のNYダウ引けの値は24345ドル、▲1175ドルと過去最大の下げ幅を更新するに至っています。

今回の下げの発端には2/2発表の1月の米雇用統計で民間部門の平均時給が前年同月比2.9%上昇し、約8年半ぶりの高水準であったこと、これが物価の押し上げにつながって米FRBが利上げを加速させるとの見方が広がりました。米債券市場では米国債に売りがかさみ、債券価格が下落したことで金利は上昇し、長期金利の指標である米10年国債利回りは一時2.85%と14年1月以来の高い水準をつけたことが主因です。

簡単に言えば、米雇用統計で高い賃金上昇率を見て、インフレが加速し米FRBの利上げペースが早まるとの思惑が浮上して、リスク資産売りにつながったという構図です。

ただし、表面的な見方では市場の動きを把握することはできませんので、上記のヘッジファンドのアルゴリズム取引などの暗躍も考慮する必要があります。
 
また、見方を変えると米FRBの利上げペース加速観測も米経済の強さを象徴しているものであり、短期的には高値警戒感を削ぎ落すまでの調整は必要ながら、企業業績の10-12月期決算は全般的に好調に推移しており、下げが一服すれば再度高値更新を目指す地合いとなることも考えられます。

世界的に株安が広がる中で、昨日の中国上海市場は逆行高を演じていたり、原油先物が崩れていないにもかかわらず昨晩のNYダウ採用銘柄の中ではエネルギー株の下げが最も大きくなるなど、リスクアセットの中でもちぐはぐな動きが見られています。

目先は米金利上昇への警戒も続いており、日本株も調整含みの展開を余儀なくされるかと思われますが、全体的な手控えムードの中でも好業績銘柄への個別物色が根強いこともあり、徐々に落ち着きを取り戻す展開になると考えられます。

とくに足元では機関投資家が上記の米債券の価格下落(金利上昇)に伴う損失を穴埋めするために、利益が乗った日本株を売却する動きも観測されており、米金利が落ち着くまでは需給面での不安が残っていると言えます。

ただし、一点ご注意いただきたいことは現時点における市場の動きは思惑と動揺が支配する環境下ですので、個別の株価の値動きよりも震源地である米国市場の動きを見ながらということになります。

NYダウの先物は現在の時刻でも24000ドル近辺での推移となっており、目先すぐのV字回復する動きにはつながりにくいと思われる一方、今週末の2/9には2月SQが控えています。

投機ポジションはこちらに向かってターゲットを合わせているとみられ、ボラティリティ急上昇をうけてオプションの損益ポジションを事前に解消してくることも十分に想定され、短期的な下値確認はこのSQと前後して可能になってくると思われます。

よって、繰り返しとなりますが、リスクオフ時の対処法としましては狼狽売りを避けながら、買い向かう際は現物の買いにとどめて段階的に買い下がっていくのがよいと思われます。


【 人 生 の 格 言 】
『 企業の実態がマーケットや株価に反映されるまでに、随分と時間がかかってしまうことがあるかもしれません。
  しかし、事業の成功が一般に認知されるのにどんなに時間がかかろうとも、その企業が期待通りの高い成長をする限り、問題はありません。
  むしろ、認知が遅くなった方が、投資家にとって都合がいい場合が多くあります。
  投資家にとってバーゲン価格が続くわけですから。 』
(米バークシャーハサウェイCEO ウォーレン・バフェット)

それでは、本日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆:加藤あきら

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