目につきにくい裏側にこそ投資のヒントがある
今年から新たに米FRB議長に就任したパウエル氏の初会見とあって3月の米FOMCには大いに注目が集まりましたが、市場反応は株式市場、債券市場、為替市場それぞれで乱高下する動きが目立ちました。
実際のところでは市場予想どおりに政策金利が0.25%引き上げられたのですが、今後のインフレ期待と利上げ見通しに言及する場面で市場の動揺を誘ったようです。
今年の利上げ見通しは今回を含めて3回とされ、4回もあり得るとの観測は引き下げられた一方で、来年以降で年2回と観測されていたものが3回に引き上げられた模様です。
トータルすると利上げ回数自体は変わっていないことになるのですが、市場では期待感のプレミアムのところだけが上下に振幅する要因となったと考えられます。
よって、株式市場の水準観だけを見れば、結局往って来いで祝日前と何も変化が無かった一方、為替水準はG20の声明発表分なども織り込んでやや円高方向で推移しているといった感じです。
市場はセンチメントに変化が無いといった状況で、今後の方向感を見極めたい様子見ムードが先行するかたちとなっています。
こういった地合いの時は他に先がけて上昇するけん引役が必要なのですが、その担い手となるのは低位株や直近IPO株など値が軽いものに資金が向かいやすい特徴があるかと思われます。
ここからの中心どころを占うにあたっては、米FOMCを消化してなお銀行株が冴えないので、やはり中小型市場に目を向けておきたいところです。
マザーズ市場を引っ張るサイバーダイン(7779)やそーせい(4565)などが奮起してくると、雰囲気もガラリと変わってくるほか、インフォテリア(3853)など往年のテーマ株に盛り上がりがみられるようになるだけでも違うでしょう。
そうなれば、売り越しを続ける海外勢を後目に、次の相場は個人投資家が火をつける可能性もあるかもしれません。
3月第1週はマザーズ市場で大きく売り越した個人が、本日発表の投資主体別売買動向でその姿勢を転換させてきているかも注目をしておくとよいでしょう。
モリカケ問題のような野党の派手な政治キャンペーンの陰で、自民党の安全保障調査会では「防衛計画大綱」で多用途防衛型空母の導入やF35Bの最新鋭ステルス戦闘機の取得も盛り込んだようです。
その骨子案の中では、宇宙やサイバー空間などの新たな領域をカバーする「多次元横断防衛構想」なども記されているようですので、本来ニュースになるべきものがかき消され、気付かぬ間に重要事案が決定していたことを知らされるのも悲劇だと思います。
政治の混迷にばかり気をとられている間にも相場の潮目が変わってくる可能性は十分にありますので、そろそろ売られ過ぎている銘柄にも目を向けていくのもよい頃合いかと思います。
【 人 生 の 格 言 】
『 交渉はいつも交渉です。
つまり意見の相違は必ず存在し、私たちもそれらの相違を乗り越えるための努力をする必要があるということ。 』
(第76代英首相 テリーザ・メイ)
それでは、明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日紹介した銘柄】
サイバーダイン(7779)
そーせい(4565)
インフォテリア(3853)
執筆:加藤あきら
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