本日のお取り組みもお疲れ様でございます。

2月から相場低迷が続いている中で、昨晩のNYダウの暴落も相まって今日は投資家様からの問い合わせが殺到しました。

相場が悪くなると先行きにも不安がよぎるのは当然の心理かと思いますが、相場の世界では「夜明け前が一番暗い」と言いますね。

これまでのグローバル経済の繁栄を謳歌してきた人たちにとっては貿易戦争懸念は絶対に避けるべき事態かと思われますが、先行きが真っ暗に思えてしまった時でも、 「夜明けが近い」という希望をもてたらいいのではないでしょうか。

今回の下げをもってセリングクライマックス感は微塵もありませんが、それもそのはずで元より市場警戒感が強かったですので、薄商いに売り仕掛けが直撃したようなかたちと考えられます。

であれば、過度に悲観するのも考えものでしょう。

この度の急落の発端となったのは、G20で各国の通商政策と為替、仮想通貨の行方を協議したばかりのタイミングで米中貿易摩擦の懸念が表面化、一斉に米国売りが噴き出しました。

昨晩の米国市場では、NYダウがちょうど1週間前の15日にコラムで書いた三角保ち合いを下放れ、また、米ドルが極端に売られて、それぞれが過去の安値を試す段階にきております。

気になるのは、当コラムでも折にふれて為替の円高は諦めてくださいとお伝えしてまいりましたが、とうとうドル円が104円台突入で2016年秋のトランプ大統領当選時の水準まで落ちてきたことです。

落ち着いて考えると、トランプ政策の中身からも、彼自身のツイート発言に反してドル安は歓迎のはずで、これによって外需銘柄は厳しい競争環境を強いられることは否めないと考えられるかと思います。

ですから、海外に依存しない内需銘柄を中心にポートフォリオを組んでいれば、外部要因による影響を極力抑えることができるかと思います。

また、これによって市場の需給が緩む懸念も出てくるかと思いますが、昨日の動きで買い戻しの動きがみられておりましたように、売り方が徐々に利益確定してくる流れも同時に表れてくると考えられます。

大前提として、この年度末にからむ取引の中には金融機関の期末ポジションを駆け込みで利益計上する部分もあり、特に売り基調を強めていた海外の投機ポジションは無理な仕掛けを講じてくることも十分考えられるでしょう。

特に朝方の7時頃に見られた為替市場が薄商いのところで仕掛けられたドル売り円買いはその最たるものかと思われます。

通商懸念がらみのニュースは昨日までの段階でもある程度織り込まれていたもので、WTO（世界貿易機関）を巻き込んで現状の枠組みを変化させようとした動きはトランプ政策が発表されてからずっと続いてきたものです。

さも新たな懸念であるかのように、大々的にニュースが流された中国の知的財産権侵害に関しても、昔日本のキャラクターやディズニーのキャラクターを模倣したテーマパークの映像などが流れていたものと大した違いはありません。

これによって、打撃を受けるのは不正な取引や特許侵害などで利益を得ていた輩のみで、適正な取引を続けてきた貿易に影響を及ぼすものではないと考えられます。

むしろ日本企業にとっては競争環境が整うきっかけとなりますので、知的財産を豊富に抱える企業に照準を絞って銘柄を選定していくのも面白そうです。

ただし、こういったアプローチだと優良企業ばかりが思い浮かぶと思いますので、海外売上高比率の高い銘柄は投資対象から除外していくには細かくスクリーニングしていく必要があります。

専門の知財ポータルサイト『IP Force』などを覗いて、特許出願件数の多い者の中でユニークな顔ぶれを洗っていくと、大日本印刷（7912）やユニバーサルエンターテインメント（6425）、平和（6412）など今後のカジノ法案に関連してきそうな銘柄も発掘できます。

また、この相場で二番底から三番底に渡っての下げがみられる中、ここから逆行高するのを狙って弊社アナリストの『徹兜』が【緊急救済企画】を立ち上げているようです。

たしかに市場全体でみた場合の投資家心理は冷え込んでいるとみられますが、あすなろ会員の皆様は逆境をチャンスに変えて『徹兜銘柄』を手にしていただければと思います。


【 人 生 の 格 言 】
『　中華人民共和国は、我々の様に知的財産権を尊重することを学ばねばならない。なぜなら、それを簡単にコピーすることは窃盗だからです　』
（第8代独首相　アンゲラ・メルケル）

それでは、明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。

【本日紹介した銘柄】
大日本印刷（7912）
ユニバーサルエンターテインメント（6425）
平和（6412）


執筆：加藤あきら