株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

(一社) 人工知能学会:18801(公社)日本証券アナリスト協会:01159

あすなろ投資顧問

2018-03-26 12:00:00

あすなろ相場展望

〜加藤の相場展望< 番外編 3 >〜

本日のお取り組みもお疲れ様でした。

休日明けも米中貿易摩擦をめぐる市場懸念が続いて下げていますが、米国市場でNASDAQやラッセル2000などの新興・小型株指数がアンダーパフォームしたために、比較的値もちのよかった銘柄中心に追証回避売りが出てきたと見えます。

中小型株の中には2ケタの下落率となるものも出ており、徐々にセリングクライマックスが近づいている雰囲気を感じます。

ただし、そんな中でも朝方の投げ売りも一巡し、ここからは期末配当取りを狙う主力株中心に下げ渋る動きが出てくると考えられます。

また、今回のリスクオフについては日米の国債が共に買われ、それぞれの国債利回りの低下幅を勘案すると実は日本国債の方が大きくなっています。これによって実質金利差が拡大し、ドル売りにも歯止めがかかり始めたと思われます。

テクニカル面では為替の円高進行を警戒しておく必要があるものの、米中貿易戦争をめぐってはムニューシン米財務長官が、 「トランプ米大統領が命じた500億ドル(約5兆2500億円)以上の中国製品への関税を賦課しなくても済むよう、米国と中国が合意に達することは可能」との楽観的な見方を示しています。

中国側も報復関税措置と大々的に報じられていますが、米国からの鉄鋼や豚肉などの輸入品30億ドル(約3150億円)相当で、そこまで深刻な事態には及んでいかない可能性が出てきました。これは米国の最大600億ドルに対してはわずか5%程度の規模で、中国の内需が好調であるがゆえにそれほど意に介していないようにも思えます。

ウォールストリート・ジャーナルのある記事では、元々この貿易戦争はトランプ大統領就任前から中国側が仕掛けていたもので、トランプ政権の中国を標的にした強硬策はそれまでの通商政策に対応するものとしています。

ただ、これもトランプ政権の見せ方として支持率アップ狙いのパフォーマンス的な要素が多分に含まれていますので、両者の落としどころは今後の交渉に持ち込まれることになるのでしょう。

前回2月の暴落時にも中国の動きを警戒しておく必要があると述べましたが、米中の交渉でカギになってくるのはやはり米国債で、これを世界で最大保有しているのは紛れもない中国です。

つまり、深刻な財政赤字に陥っている米国のファイナンスを請け負っているのは中国であり、両者の関係性は密接に繋がり合っていることは一定の共通理解となっているはずです。そうでなければ、中国側が保有している米国債を投げ売ってしまえばよく、対する米国にとってはその一撃で経済が崩壊しかねない軍事ミサイル以上の脅威となるものです。

よって、米中ともに市場が過度に懸念するような貿易戦争には発展させる気はないものと考えられるのです。

市場はこの短期間のうちにまたしてもパニック状態に陥ったとみられますが、最初に仕掛け的な売買と論じたのも、需給の乱れがいかにも先物主導となった側面が強いからです。

昨日の『加藤の相場展望< 番外編 2 >』でも足元の取り組みについてはふれておりますが、今日明日を乗り切ってようやく売り一巡になってくるかと思います。

景気の天井に先がけて株価が下げてきたとの見方も出ているようですが、株価が下がったからというだけで経済が弱含むというのは早計だと言えます。

もちろん為替が円高になったというだけで企業の収益力が落ちるというのも企業努力を正しく評価しているとは言えないでしょう。

一時的な地合いの悪化で、日本経済を支えている企業を安売りする必要などどこにもありません。

短期的な騰落レシオは急速に売られ過ぎ水準に突っ込んできていますし、RSIやストキャスティクスまで売られ過ぎと判断できるところまで低下してきています。

後場には日銀のETF買いも観測されるかと思いますので、引き続き底値形成のタイミングがどこになってくるのか見極めていきましょう。

市場の動向とともに『加藤の相場展望< 番外編 4 >』を考察していきたいと思いますので、よろしくお願い致します。


【 人 生 の 格 言 】
『相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく』
(アメリカ著名投資家 ジョン・テンプルトン)

それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆:加藤あきら

無料新着記事

記事一覧へ

今ご登録で特典5銘柄+大石銘柄+5000ptをプレゼント!

今すぐ無料登録 クリック