夜明け前だからこその揺さぶり
相変わらず乱高下激しい相場展開が続いておりますが、とくに取引時間外の動きが激しさを増しています。
朝方は先物市場で昨晩の米国時間での上昇を全て打ち消すなど、たった1時間足らずで指数が1%以上も動く異常な事態は継続しています。
ネットニュースでも空売り業者の米エヌビディア狙い撃ちなどで投資家心理を揺さぶってきていますが、この様子を見ると貿易戦争ではなくて、市場戦争の方が激化していると言えます。
大国の思惑なのか、金融業者のご都合なのか、いずれにしてもオトナの事情により相場が形成されて、一般投資家は模様眺めが続いておりますので、市場原理に基づいた正常化はもう少し時間がかかりそうです。
とにかく振るい落とされないようにポジションの管理に慎重を期しておきながら、下げるところは試し玉程度で集めていきましょう。
昨日公表された投資部門別売買状況で3月第4週(3/26〜/3/30)は、海外勢が+48.47億円、個人が▲388.56億円で、1月第2週以来となる海外勢の買い越しが確認されました。
海外勢が売れば個人が買い、個人が売れば海外勢が買う、対照的な動きを続けて両者のポジションがようやく交わるところまできました。
3月累計でみると1兆円近く売り越しで、2月・3月合わせると2兆円以上の売り越しとなっています。
確かにこれだけ売られると相場が崩れて然るべきなのですが、3月の日銀ETF買いは過去最高額の8333億円を買い入れており、1-3月期では1兆9047億円を買い入れています。
これは単月でも四半期でも、さらには2017年度でみると6兆1729億円の買い入れでいずれも過去最高を記録したことになります。
よって、日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が買い支えていなければもっと売り込まれていた可能性があるわけですが、明らかに買い支えになっていたと言えるかと思います。
年明けの市場テーマとして、世界の中銀が出口戦略に向かっていることを背景に海外勢が株式を売っていると考えると、日銀が金融緩和の継続を維持するとのメッセージが伝われば、一転して買う姿勢が顕わになってくると考えられます。
4月のところでも3日、4日はお買い上げされてるので、市場薄商いの中では徐々に存在感が増してきていると言えます。
ですから、あとは勝負所の見極めだけ、昨日で三角保ち合いを上抜けしてきた日本株の動向を握るのは買いの主体がどのタイミングで上値を買うようになってくるかだけだと言えます。
では、来週は例のオプションSQがありますが、同時期では米国企業の決算本格化も控えています。勝負所を逃さないように準備運動をしっかりとしておきましょう。
【 人 生 の 格 言 】
『 あなたも明るい未来を期待するでしょう?悪くなるほうを望む人なんて誰もいない。 』(テスラ・モーターズCEO イーロン・マスク)
それでは、明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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